『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』公式サイトより

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ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)の黒幕はいったい誰なのか……。最終回を目前に控えた今、視聴者の間で黒幕予想が白熱している。これまでさまざまな人物が黒幕候補として疑いの目を向けられてきたが、やはり一番怪しいのは3年D組の生徒・星崎透(奥平大兼)だろう。

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そもそもここで言う黒幕とは、3年D組の担任教師である九条里奈(松岡茉優)を殺害した人物を指す。物語の舞台となる鳳来高校の卒業式当日、4階から突き落とされた里奈は、自分の背中を押したであろう何者かの手を目撃する。犯人の手元には“D組 卒業おめでとう”と記されたコサージュが付いていたことから「私は生徒に殺された」と理解するのだが、気づけば1年前の始業式にタイムリープしていた。

つまり同作は1年後、自分を殺す30人の容疑者――3年D組の生徒たちと真摯に向き合い、死の未来に抗っていくタイムリープもの。のちに里奈だけでなく、3年D組の生徒・鵜久森叶(芦田愛菜)もタイムリーパーであったことが発覚するが、彼女は人生をやり直す機会を与えられたのにもかかわらず、第6話で何者かと揉み合ったすえに転落死してしまう。

さらに9月9日に放送された第8話では、鵜久森が殺害された当日、なぜか3年D組の生徒・江波美里(本田仁美/AKB48)の幼馴染である浜岡修吾(青木柚)が学校に来ていたことが発覚する。ついでに言っておくと、浜岡は鳳来高校の生徒ではない。それなのになぜ本校の制服を身に纏い、学校に足を運んでいたのだろうか。

同エピソードは浜岡が「事件の日、なんで学校にいたんだ?」と問い詰められるシーンで幕を閉じる。ただ番組の公式サイトに掲載されている次回のあらすじには、“浜岡は人に頼まれたからだと答える”と書かれていた。おまけにその人物は、3年D組の“ある生徒”だとも……。

つまり浜岡を裏で操っていた人物こそ、卒業式の日に里奈を突き落とした黒幕である可能性が高い。これまでネット上では浜岡を操っていた人物=クラスのリーダー格である相楽琉偉(加藤清史郎)だと思われてきた。

だが第8話で相楽は、浜岡から「何かしてやろうか?」という誘いがあったものの、それを「断った」と断言している。相楽以外の人物で、浜岡の誘いに乗りそうな人物、あるいは浜岡に良からぬことを頼みそうな人物……。一番怪しいのが“星崎透”なのだ。

ではなぜ星崎が黒幕候補として有力視されているのか、ここからはその理由を一気に振り返っていこう。

■未来について語る里奈をカメラで盗撮
まず視聴者が星崎を不審に思い始めたのが、第4話で見せた“盗撮行為”だろう。人生2周目の里奈は、この先にどんな未来が待ち受けているのかを知っている。幼馴染みの美里を利用して金を稼ごうとしていた浜岡に対し、里奈は「江波美里さんから手を引いてもらえないでしょうか」と直談判するのだが、星崎はそんな2人をよそにこっそりビデオカメラを起動させていた。

カメラには“未来”を語る里奈の姿も収められており、これを鵜久森たちに見せた星崎は「これ見て、なんかピーンと来ちゃったのよ。もしかして……先生、タイムリープしてるんじゃないかって」と発言。薄ら笑いを浮かべながら語る彼の姿を見て、誰もがこう思ったはずだ。あれ、星崎お前が犯人かと……。

■映像初心者なのに「映画を撮らせてくれ」
思い返せば星崎は、当初から謎多き人物だったように思える。第3話でいきなり里奈や鵜久森たちのいる科学準備室にやってきては、「先生やばいっす。マジ革命起こしてますよ?」「いや、俺ずっと学校生活退屈だったんですよ。でも最近、全然そんなことないです。先生がやばいからです」とぐいぐい語り始め、挙げ句の果てには「先生の映画を撮らせてください」と突飛なお願いをしていた。

しかし「映画を撮らせてくれ」と頼み込むわりに、彼自身は全くの映像初心者。クラスに革命を起こす里奈の姿を見て、創作意欲に目覚めたとも考えられなくはないが、ここまでの流れを考慮すると、普段からカメラを持っていても不審に思われないように映画の撮影をお願いした……と考える方がしっくりこないだろうか。

■学校が退屈なのは“タイムリーパー”だから?
また映像初心者でありながら、都合よくカメラを持っていたのも気になるところ。まるではじめから里奈が浜岡と接触することをわかっていたかのような周到ぶりだ。つまり星崎も里奈や鵜久森と同じ、タイムリーパーである可能性が出てくる。

そもそも彼は“ずっと学校生活が退屈だった”と語っていた。第3話の冒頭でも「いつからだろう。俺がこの高校生活を景色のようにただ眺めて過ごすようになったのは……」「でも最近はその景色が急激に歪んできたんだ。この世界はなんでも起きることを知り始めたから」とモノローグを語っているのだが、星崎がタイムリーパーだとすれば「学校生活が退屈」という彼の言い分が何となく理解できるだろう。

仮に星崎が本当に黒幕だったとしたら、この世界をもっと面白くするために浜岡の協力を仰いだとも考えられなくはない。しかも浜岡と星崎は一度会ったことがある。顔見知りの頼みなら浜岡も、条件次第では話に乗ってくるはずだ。

■盗撮を匂わせる“引き戸の隙間”
鵜久森は命を落とす直前、誰かに呼び出されていた。ロッカーに入っていた手紙には「……との話をバラされたくなければ」と書かれていたが、これは何の話だったのだろうか。

実は鵜久森が命を落とした第6話は、クラスメイトの東風谷葵(當真あみ)にスポットが当てられた回だった。彼女はかねてから鵜久森に対して友達以上の感情を抱いており、物語中盤では鵜久森と東風谷がお互いの本音を語り明かす展開に。しかしそんな2人のバックにあるロッカーの引き戸はわずかに開いており、その後の場面ではちゃんと扉は閉まっていた。もしここにカメラが仕掛けてあって、鵜久森たちの話を知ったのだとしたら……。

鵜久森宛の手紙には、“東風谷との話をバラされたくなければ”と書かれていたのかもしれない。3年D組の生徒で、なおかつカメラを持っている星崎ならばすべて実行可能なのだ。

はたして本当に星崎は黒幕なのか。それとも星崎はただのミスリードで、この先にどんでん返しが待ち受けているのか。いずれにしてもすべての真相が明らかになる日は近いだろう。

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