ミニマルライフを発信している30代のブロガー・ponpocoさん。20〜30着の厳選されたワードローブで年間を過ごし、海外旅行も小さなスーツケース1つで出かけるなど、身軽な暮らしを実践しています。

初の著書『200着の服を8割減らしたらおしゃれがずっと楽しくなった』(扶桑社刊)を出版したponpocoさんに、少ないアイテムで暮らしを楽しむコツを聞きました。

ミニマリストが少ない洋服で着まわすコツ

――洋服や日用品だけでなく、バッグの中身も少ないponpocoさん。先日TBSラジオ『生活は踊る』にゲスト出演した際も、スタッフの方に「バッグが小さい! 荷物が少ない!」と驚かれていました。普段バッグに入れているものを教えていただけますか?

ponpocoさん(以下po):普段はスマホ、財布、ハンカチ、キーケース、ティッシュ、リップクリームくらいです。私にとってバッグは実用品というより、好きだから持っているアイテムかもしれません。近所へ出かけるくらいなら、本当は手ぶらでもいいくらい。でも好きなのです。

――財布はどのようなものを使っていますか? かさばりがちなカード類はどのように選別していますか?

po:コンパクトなタイプを愛用しています。カード類はいつもクレジットカード1枚しか持ち歩いていません。いろんなショップのポイントカードを持っていても、あまり立ち寄らないし、たくさん買わないから結局ポイントが貯まらないので…。

●旅行の着替えは3日分だけ、ジップロックがおすすめ

――旅行時に身軽でいられるのもミニマリストならでは。書籍では「旅行先での滞在期間が1週間でも2週間でも、着替えは3日分(トップス2〜3枚・ボトムス2本・ワンピース1枚)が私の定番」と書かれていました。一般的な基準よりかなり少ないと思いますが、旅先での着まわしのコツや、ファッションの楽しみ方を教えてください。

po:服がシンプルで少ない分だけ、小物を多めに持っていっておしゃれを楽しんでいます。ネックレスやイヤリングなどもすてきですが、私のイチオシはスカーフです。首や腕に巻くのはもちろん、バッグを覆って柄をチェンジしたり、髪やベルトループに結んでコーディネートのアクセントにしたり、工夫次第でいろんな使い方ができます。荷物に入れても薄くてかさばらないし、移動中に破損する心配が少ないのもうれしいポイント。

あとは、カーディガンを1枚持っておくと日やけや防寒対策になりますし、教会や美術館など露出NGの場所にも対応できるのでいいと思います。袖を通して着る、肩がけする、袖を結ぶなどアレンジできて便利です。

――厳選した旅行アイテムの中でも、とくにジップロックがおすすめと言います。活用法を詳しく教えてください。

po:ジップロックは、まず液体物の機内持ち込み袋になりますし、衣類の圧縮袋、携帯用ゴミ袋にもなります。半乾きの(もしくは汚れた)服を入れたり、水と洗剤を入れて旅先で手軽に洗濯したりもできます。さらに、現地での財布代わりなど多用途に使えるので、いつもサイズ違いで何枚か持って行きます。

●ミニマリストでも、自分にとって唯一無二の本当に大切なものは手放しません

――身軽に暮らしているなかでも、「これだけは手放せない」というものがあれば教えてください。

po:精神面で言うなら“自分らしさ”ですね。これを失ってしまうくらいなら、ミニマルライフを選ぶ必要はまったくないと思います。

ものであれば、亡き祖母の形見の指輪でしょうか。私にとって、この指輪はものという枠を超えた存在だからです。大好きな祖母の姿が頭に浮かんで、とても懐かしく穏やかな気持ちになります。思い出の品はほとんど処分しましたが、この指輪は生涯大切にするつもりです。「ものには魂がある」と言う人の気持ちもよくわかります。

ミニマリストでも、自分にとって唯一無二の本当に大切なものは手放しません。というより、大切なものを大事にするのがミニマリストだと思っています。

――今、ものを新たに買うときはどのように吟味していますか?

po:たくさん使うか、見た目が好みで使い勝手がいいか、使っていて満足感があるか、メンテナンスがラクか、今の自分とライフスタイルに合っているか、を基準にもの選びをしています。
この中でとくに重視しているのが最初と最後の項目です。「欲しい!」という気持ちだけで今の暮らしにフィットしないものを選んでも、いずれ使わなくなってしまうと分かっているので、きちんと使うかどうかを大事にするようにしています。

――最近買ったものがあれば教えてください。

po:ドレッシングを手づくりすることにハマっているので、ちょっと冒険していつもより高いオリーブオイルとりんご酢を買いました。すごくおいしくて大満足です! あとは毎夏楽しみにしている、KAGOMEの期間限定トマトジュースプレミアムを箱買いしました(笑)。

●無理して手放さなくていい。人の数だけ暮らし方や生き方の正解がある

――今回初めて書籍を出版されるにあたり、こだわったことや大変だったことはなんですか?

po:今回の本はミニマリスト以外の方にもぜひ読んで頂きたいと思ったので、ミニマリズムを理解してもらうために、文章のわかりやすさにはとくにこだわりました。自分は価値観を押しつけているつもりはなくても、そう受け取られてしまうような表現はなるべく避けたいと思い、担当の編集者さんと一緒に何度も確認したことを覚えています。

本の中でものを手放す方法をあれこれ書いてはいますが、私は無理してものを手放したり、ミニマリストを目指したりする必要はまったくないと思っています。大事なのは“自分らしく暮らしているか、今の暮らしに満足しているか”であり、自分の理想の暮らしを実現するためにもし必要ならものを減らせばいいし、そうでないなら無理せず自分に合ったライフスタイルで日々の暮らしを楽しめばいいと思っています。
人の数だけ暮らし方や生き方の正解があるのだと思います。

――出版してみて、周りの反響はいかがでしたか?

po:出版は小さい頃からの夢だったので、母が大喜びしてくれました。それがとてもうれしかったです。ラジオにゲスト出演させていただいた当日、夫は私以上に緊張してそわそわしていました(笑)。
私がブログを始めたばかりのころからおつき合いがあるブロガーさんやフォロワーの皆さんが応援して下さったり、読者の方からご感想をDMで頂いたりして、ものすごく感動しました。本当に感謝しております。

――今後発信していきたいことを教えてください。

po:世間のミニマリストのイメージにとらわれることなく、自分らしくゆるーいミニマルライフをこれからも発信していきたいと思っています。
読んで下さった皆様に、「ミニマルライフって結構楽しそうじゃない」と少しでも思って頂けたらうれしいです。

 

ponpocoさんの著書『200着の服を8割減らしたらおしゃれがずっと楽しくなった』(扶桑社刊)では、だれでも服を8割減らせるコツや、狭小住宅でも快適に暮らす収納など、無理せず自分らしいミニマルライフを実現するためのヒントが書かれています。