体力的にも、今まで通りにできないことが増える50代。自分に必要のないことはできるだけ手放して、無理なく暮らしたいですよね。ここでは、築50年越えの団地でひとり暮らしをしている、50代ブロガーのきんのさんに、やめたらラクになったことを教えてもらいました。

50代おひとりさま、「やめる」選択でラクになったこと

心身の疲れや更年期で思うように動けない自分を意識し始める50代、丁寧な暮らしへの憧れはあるものの、ハードルは高い。「やりたいこと」と「できること」の間には大きな差があります。労力をかけてもやりたいのか、そこそこでラクに生活したいのかは人それぞれ。

【写真】10分以内でつくれる簡単レシピメモ

私の場合は更年期障害や親の介護の問題もあり、なるべく自分に負荷をかけすぎないように、日々の家事はがんばらないことに決めました。「こうあるべき」と思い込んでいた家事をやめることで、気持ちも生活もラクになりました。

●毎日の掃除をやめる

掃除機がけや拭き掃除、毎日しなくちゃいけないと思い込んでいました。でも、できない。できない自分はダメな人間だと勝手に挫折感を抱いていました。

考えてみたら自分だけが暮らす部屋なので、それほど汚れが気にならなければ、毎日掃除する必要はないのでは? 日々掃除しなくてはいけないという思い込みをやめたら、罪悪感から解放され気持ちもラクになりました。

現在はとくに掃除の時間を決めず、なにかのついでに掃除しています。気になったときにすぐ取りかかれるよう、グッズはトイレ、浴室、キッチンなど、掃除が必要な場所に分けて置いています。床掃除は掃除機の出し入れが面倒でしたが、モップとコロコロでもそこそこキレイになるとわかり、普段の掃除には掃除機を使用していません。

●手料理、一汁三菜をやめる

疲れて料理をつくりたくないときは、市販のお惣菜や冷凍食品に頼ります。1週間単位で栄養バランスが取れたらOK。平日は包丁すら使わない日も多く、一品10分程度で、そのときにつくれるものを用意します。手軽に迷うことなくつくれる定番料理のローテーションで、もちろん一汁三菜にもこだわりません。

調理に時間をかけないために、食材は購入したときにまとめてカットして冷凍や下処理をしたり、冷凍カット野菜も利用しています。冷凍野菜はバリエーション豊富でお値段もお手頃、使わない手はありません。

手料理へのこだわりを捨て、手の込んだ料理は外食でと割り切り、普段の生活では調理に時間をかけないことで、自分時間が増えました。

●在庫管理の手間がかかる、まとめ買いをやめる

日常生活に必要な物品は多岐にわたります。欠品しないように、なるべく安く特売セール品をまとめ買いしたにも関わらず、買ったことを忘れて買い足しして在庫過多になり、無駄にしてしまうこともありました。在庫を多く持つことで、消費期限内に使い切らねばと余計なストレスも加わり最悪でした。

そこで、安いときのまとめ買いをやめて、確保した収納スペースに収まり使い切れる分だけを購入する方法に変更。スペースがあいた分だけ購入するので、在庫はいつも一定で管理する手間もなし。

まとめ買いをやめたことで若干出費は増えたけれど、在庫管理の手間やものを無駄にすることも減り、精神的にラクになりました。

●大切なのは自分がどうありたいか

やらなくてはいけない、でもできない自分を責めつつ罪悪感を抱きながら暮らしていましたが、ストレスを抱え無理して家事をしていると、人やものに優しくできません。大切なのは家事をこなすことより、自分がどうありたいかだと思いませんか? イライラして過ごす時間は損失、自分の笑顔のためにも「やめる」選択で暮らしを変えました。

今は便利なグッズや安価な使い捨てアイテム、お助けサービスが充実している時代です。ちょっとした工夫や発想の転換で家事にかける時間が減れば、ストレスも減ってラクになるだけでなく、自分の時間も増やせます。

なにをやめるかはその人次第、やめる選択で日々の生活の負担を少しでも減らしてみてはいかがでしょうか。