ヴィンテージマンションをリノベして、4匹の保護ネコと心地よい暮らしを
5年前にリノベーションしたヴィンテージマンションで、4匹のネコと暮らしているネコ専門イラストレーターのCoony（クーニー）さんのお宅を訪ねました。リノベーションした築50年超のヴィンテージマンションは、ネコも快適！ 棚や出窓など、勝手に好きな場所を見つけてくつろいでいます。分断されていたリビングとDKを一体化することで、劇的に気持ちのいい空間が生まれた、間取りのビフォアアフターも紹介します。
リノベーションして念願のネコとの生活をスタート
ネコ専門イラストレーターのかたわらペット関連企業で働き、実家でもネコを飼っていたというCoonyさんは、ネコへの愛情は人一倍。ヴィンテージマンションをリノベーションして念願のネコとの生活を始め、現在は4匹の保護ネコとともに暮らしています。
「全員かなりハードな状況から保護されていて、『こんなにかわいいのに、どうして！？』という思いが強かったです」とCoonyさん。
ミノちゃん、ミントくんは保護ネコの里親募集サイトで出会い、獅子丸くんは一時預かりがきっかけで家族に迎えました。新入りのオヨヨくんは現在、一時預かり中。
「一時預かりボランティア」とは、里親が見つかるまでの間、自宅で保護ネコを世話する活動です。「預かりボランティアは以前からやりたいと思っていました。コロナでテレワーク中心になりおうち時間が増えたので、今ならできると思い、2年ほど前から始めました」。
Coonyさんがこれまでに預かった保護ネコは6匹。インスタグラムで里親を募集する場合もあれば、保護団体が開催する譲渡会で決まる場合もあるそうです。
「預かりボランティアは、人や先住ネコにもなれてもらうことが大事。わが家はよく友人が遊びに来るので、知らない人が来ても、ほかのネコが普段と変わらずに過ごしているから怖がらなくても大丈夫なんだな、と学んでもらっています」とCoonyさん。
来客の頻度が減ると、人見知りに戻ってしまう子もいるとか。先住ネコたちが大らかなので、ネコなれは早いそうです。
Coonyさんがソファに座ると、獅子丸とミントが駆け寄ってきます。ネコにも安心なエバーフレッシュという観葉植物をソファ横に。「ネコが食べると危険な植物は意外と多いので気をつけています」。
眺望抜群のバルコニーは気分転換に最適。窓際にスクリーンを設置し、プロジェクターで投影できるようにしています。
既存のキッチンはトーヨーキッチンのもの。デザインも、ガスオーブンつきだったことも気に入ったそう。食卓にも仕事机にもなるカウンターを設置。
間取り（リノベーション前後）
リノベーション前
リノベーション後
「日当たりがよくて、すごく気持ちがいい」という2面に窓がある開放的なリビングは、離れて配置されていたDKと一体化しました。キッチンは既存のものを移設して再利用しています。代わりに、リビングにあった棚は書斎へ移動。既存の設備をうまく活用しているのが印象的です。
洗濯機を脱衣室に設置し、洗濯物をハンガーにかけて浴室乾燥機で乾かしたら、そのままクローゼットにしまえるように、動線を短くまとめました。
●DATA
・家族構成：本人
・築年数：54年（1969年築）
・専有面積：72.78��
・設計：松尾琴美
・工事費：約1000万円
ネコは好きな場所を勝手に見つけてくつろいでいます
知り合いがヴィンテージマンションをリノベーションしたのを見て憧れを抱き、古いマンションを探したというCoonyさん。1年半ほどかけて見つけた現在のマンションは、築年数が50年超。
「『ペット可』ではなかったけれど『ペット禁止』でもなくて、よくよく聞いてみたら『周りに迷惑をかけなければ…』という感じでした」とのこと。「ペット可」と明記していなくても調べてみる価値はありそうです。
「キャットウォークやネコ用トンネルはつくらなかったけど、棚や出窓などネコが勝手に好きな場所を見つけてくつろいでいます。エッグチェアもネコたちに人気。それぞれにお気に入りの場所があって、ともに暮らしている感じがしていいなと思っています」
素材でこだわったのは、壁の漆喰。職人さんに指導してもらって友人と一緒に塗ったもので、いい思い出になったうえ、調湿と消臭の効果も実感しているそうです。
「遊びに来た友人には、ネコが4匹もいるのに全然においがしないね、とよくいわれるので、漆喰のおかげだと思っています」
帰宅したらすぐ手洗いができるように、玄関の隣に洗面台を設置。引き出しのついたデスクのような造作のカウンターが印象的。
ブルーのクロスがさわやかな寝室。床には素足にやさしいカーペットを採用しました。
ダイニングのあった場所に設けた浴室。明るい出窓は、取り合いになるほどネコたちに人気のスポットだそう。
リビングにあった本棚を移設した書斎。床はパーケットフロアにしました。
壁面いっぱいに本棚を設けた廊下。ここにはネコ関連の本もあります。
ネコとの生活を楽しみながら保護ネコ活動も
Coonyさんがイラストを始めたのは、以前勤めていた会社の同僚にほめられたのがきっかけだったそう。
仲よくなりたくて、その人が飼っていたネコのイラストを描いて見せたらすごく喜ばれ、「インスタで発表したら？」とすすめてくれたそうです。始めてみると少しずつイラストの依頼が来るようになり、企業から仕事のオファーも。
写真はCoonyさんがパッケージのキャラクター（ブリ―＆モー）のイラストを手掛ける「ねこねこチーズケーキ」（右）。スイーツ好きからもネコ好きからも注目を集めています。右2つは某コンビニエンスストアで販売された限定版「にゃんとも美味しいチーズケーキ」です（現在は販売終了）。
ほかにも、ネコ好きとして知られるお笑い芸人・チュートリアルの徳井義実さんが展開するプロダクトショップのロゴや、伊勢丹新宿店とのネコの日コラボイラスト（写真）なども。イラストの売り上げの一部は、保護ネコ活動に寄付しているそうです。
現在は、イラストレーターの仕事と並行してペット関連企業「PETOKOTO」のデザイナーとして、ペットフードのパッケージデザインなども手掛けています。
今の職場は、ペットに関する情報発信や保護犬・ネコのマッチングサービスなども行っており、ネコを愛するCoonyさんにはぴったりのよう。「リモート会議中にネコが乱入することもしばしばですが、スタッフは犬ネコが好きな人ばかりなので、すごく盛り上がります（笑）」。
ネコとの生活を楽しみながら、仕事にも保護活動にもマイペースで邁進するCoonyさんです。
●Coony（クーニー）さん
福島県出身。多摩美術大学卒業。ペットウェルネス事業を展開する「PETOKOTO（ペトコト）」で社員として働きながら、ネコ専門イラストレーターとしても活動中。ネコをモチーフにしたスイーツのパッケージイラストなどで注目を集める。インスタグラムのアカウントは@coony_illust
