日焼け止めの肌荒れ、対処法は…

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 6月に入り、ジリジリとした強い日差しを感じる日があり、肌の露出をする機会が増えてきました。そこで気になってくるのが日焼けです。日焼けを防止するため、日焼け止めを塗りますが、敏感肌だったり、肌が弱いと荒れることがあります。日焼け止めで肌が荒れる理由と、肌が荒れたときの対処法を皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科を得意としている肌クリニック大宮(さいたま市大宮)の院長・相馬孝光さんに聞きました。

敏感肌、乾燥肌の人は「刺激」に 日焼け止めを使わずに防止する方法は…

Q.そもそも、日焼け止めを塗った時と塗らない時で、皮膚にどのような差が出るのでしょうか。

相馬さん「皮膚に影響のある紫外線は、皮膚の深層まで達するUVA波(紫外線A波)、浅層まで達するUVB波(紫外線B波)があります。UVA波は波長が長く窓ガラスも通してしまうと言われており、表皮の内側の“真皮層”まで届くので美肌に必要なコラーゲンやエラスチンを産生する線維芽細胞を傷つけ、しわやたるみの原因となります。一方のUVB波は波長が短く“表皮層”に届き、主に屋外での日焼けにより、やけどのような赤みや火照りのような症状がでます」

Q.日焼け止めを塗ると、肌がカサカサしたり、かゆくなったりする人もいますが、なぜなのでしょうか。

相馬さん「日焼け止めには紫外線吸収剤が配合されているものと紫外線散乱剤が配合されているものがあります。紫外線吸収剤は『ケミカル』と呼ばれることもあり、成分として多く使用されるものは『メトキシケイヒ酸エチルヘキシル』『パラアミノ安息香酸』などがあります。

紫外線吸収剤は紫外線を熱エネルギーなどに変換し肌まで届かないようにすることで肌を紫外線から守っています。使用感は伸びが良く、さらさらしているものが多いので使いやすいのが特徴です。こちらは肌に悪いものではありませんが、肌が敏感な方や乾燥しやすい方は刺激になりかゆみが出たり、塗った後カサカサすることがあります。

少し乾燥する程度でしたら保湿をしっかりしてから使用し、かゆみが出てしまう場合は成分が肌に合わない可能性もあるので『ノンケミカル』などと呼ばれる紫外線吸収剤フリー(紫外線散乱剤入り)の物を使用しましょう。

Q.日焼け止めを使わずに、日焼けをできるだけ防ぐ方法はあるのでしょうか。

相馬さん「どうしても日焼け止めを使用できない場合はUVカット効果のある衣類を着用し、日傘や帽子も活用しましょう。飲む日焼け止め防止サプリメントもあり、紫外線を浴びたときに発生する活性酵素を抑える働きがあります」

Q.夏以外に、日焼けに注意が必要な時季はあるのでしょうか?

相馬さん「紫外線は地面や建物から反射し、肌に届いてしまうため、日焼け止めを塗らないとUVA波、UVB波を浴びてしまうため、日焼け止めを塗るのが一番効果的です。どうしても日焼け止めを使用できない場合はUVカット効果のある衣類を着用し日傘や帽子も活用しましょう。飲むタイプの日焼け止め防止サプリメントも効果的で、紫外線を浴びたときに発生する活性酸素を抑える働きがあります。

Q.天気が悪い日に外出する際も、日焼け止めを塗った方がいいのでしょうか。

相馬さん「紫外線は、曇りの日は晴れの日の約60%、雨の日は約30%降り注いでいるので天気が悪くても油断はできません。雨の日に日焼け止めを塗るのは習慣がないとおっくうかと思いますが、早いうちから意識することで将来の肌に差がつくと考えます」

Q.夏でも、常に肌が白い人がいます。人によって日焼けしやすい、日焼けしにくいということはあるのでしょうか。

相馬さん「体質によってUVB波を浴びたときに赤みがでやすい方、でにくい方はいます。日焼け後に炎症が落ち着くと肌が白く戻る方もいれば、肌色が濃くなってしまう方もいます。ただし、赤みがでにくい、肌色が濃くなりにくいからとって紫外線が肌に入っていない訳ではないのでしっかりと対策をすることが大切です」