認可保育所で保育士らの「大幅な体制変更」が(写真はイメージ)

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東京都中央区の認可保育所「モニカ人形町園」で、2023年4月から保育士らの大幅な入れ替えがあることが分かった。その理由について、区では、「運営と職員との間に溝があったと聞いている」と説明した。

運営会社のモニカ(東京都港区)は、「大幅な体制変更」を取材に認め、「迷惑と心配をかけ申し訳ない」と述べた。今後については、「これまでと同様な人数を配置し、安定運営に取り組む」と説明している。

「待遇面で不満の訴えを受けたことはございません」

モニカの公式サイトによると、同社は都内で10か所の保育所を運営している。人形町園は、園児の定員が60人で、区によると、3月現在は52人が在籍している。

人形町園については、匿名メールで2023年3月23日、職員の約9割が退職するとして、保育士らの大幅な入れ替えがあるなどとJ-CASTニュースに情報提供があった。

モニカの広報担当者は24日、取材にメールで答え、保育士らの大量退職があったかについて、「9割ではございませんが、大幅な体制変更がございます」と答えた。22年度は、非常勤も含めて、保育士が11人、調理員が3人と、それぞれの配置基準9人、2人より多く配置しているという。具体的な退職人数やその理由については、「個人情報や個人の特定に関わる内容となりうる可能性がある、また、誤った憶測を生むかもしれませんので、外部の方にはお答えいたしかねます」と述べた。ただ、「待遇面で不満の訴えを受けたことはございません」とはした。

職員の退職については、「個々の様々な理由がございますが、同じ年度にそれらが重なり、結果として大幅な体制変更となった」と説明した。そのうえで、「園を利用する子どもたちや保護者の方々にご迷惑とご心配をお掛けしたことは、大変申し訳なく思っております」と謝罪の意を示した。

大幅な体制変更によって、新年度からの保育業務には、何か支障が出ないのだろうか。この点については、次のように説明した。

「人事は事業者管轄で、どんな溝かは把握していない」

「これまでと同様、4月からも基準配置よりも多い人数を配置しております。新しく人形町園に配属になる職員の多くがモニカの既存職員であり、また、昨年度まで人形町園にいた職員も含まれます。引継ぎやお子様との保育に入っての関係づくりを3月1日より現在も継続的に行っております。入れ替わりや引き継ぎという普段とは違う業務が発生しておりますが、できるだけスムーズに新年度を迎えられるよう準備を進めております」

保護者への説明会があったことを認め、「説明会ではしっかりと経緯をご説明し、ご参加いただいた保護者の皆様からのご質問にも、できる限り誠意を持って回答させていただきました」とした。

モニカ人形町園での体制変更について、東京都中央区の保育課は3月27日、取材に対し、保育士らの大幅な入れ替えがあり、園長も新しく変わるとして、次のように説明した。

「モニカ側からは、運営と職員との間に溝があったと聞いています。人事については、事業者の管轄になっており、それがどんな溝なのかについては把握していません。区としては、残された子供たちや新しく入ってくる子供たちもいますので、十分かつ丁寧なフォローアップをするようにモニカ側に助言しました」

4月からの新体制は、認可基準を満たしているとして、モニカ側に指導という形は取らなかったという。

中央区では、19年3月に別の認可保育所で保育士らの大量退職が起きている。

今回については、保育課は、「事業者に厳しい意見が出て、説明会を何度も行ったそのときとは、状況がまったく違います」と説明した。

「保護者の方からは、子供を転園させたいという話は来ていません。会社は説明責任を果たすべきだとの意見はありましたが、園側に伝えましたので、誠意を持って個別に対応していると思います」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)