侍ジャパン・岡本和真、牧秀悟、山川穂高(左から)【写真:荒川祐史】

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右打者が集まる二塁、一塁のポジション

 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に挑む侍ジャパンは3日、バンテリンドームで壮行試合「カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023 名古屋」の中日戦に臨み、2-7で敗戦。6安打2得点と本領発揮とはいかない打線に野球評論家の新井宏昌氏は「右打者の状態が鍵を握る」とポイントを口にする。

 大谷、ヌートバー、吉田の“メジャー組”を欠く侍打線は中日投手陣を打ち崩すことはできなかった。奪った得点は4回無死一、三塁から岡本の三ゴロ、8回2死二塁から牧の右翼線への適時二塁打の2点のみ。4番の村上は侍9打席目にして、待望の初安打が生まれるも思うように打線は繋がらなかった。

 9日の中国戦まで実戦は残り3試合。“最強ジャパン”と評される打線に新井氏は「メジャー組は外野とDHで埋まる可能性があり中心選手は左打者が多い。二塁手、一塁手で起用される選手は右打者。ここまでの試合を見ると好不調の差が如実に出てきている」と指摘する。

 主に1番で起用されている山田はここまで3試合で9打数無安打、一塁で起用される可能性が高い山川も3戦7打数無安打と快音は聞こえてこない。一方で複数ポジションを守る、岡本と牧は3試合全てで安打を放つなど好調をキープしている。

山田、山川が3試合で無安打と不振、一方で牧、岡本は3戦連続安打

 侍ジャパンに選出されているメンバーは各球団の主力で全員が実力者であるのは間違いない。だが、短期決戦となるWBCでは早い段階での見極めも必要になってくる。

「山田に関してはファウルでもボールの下にバットが入っている。国際大会で結果を出す選手だが、現状の調子はそこまで良くない。山川も一発が出れば、変わってくると思いますが、少しタイミングが合っていない。牧と岡本が好調なので、この4人で一塁、二塁のポジションを回す形になるのではないでしょうか」

 外野陣は吉田、ヌートバー、近藤、三塁、遊撃には村上、源田がスタメンで出場する可能性が高い。DHには大谷がどっしりと座り、捕手を除く残りのポジションを考えると二塁手と一塁手が決め手に欠けている状況だ。

「大谷らが打線に入れば、まだ結果の出ていない村上へのプレッシャーも和らぐ。右打者が集まる二塁、一塁の選手を栗山監督ら首脳陣が、どう使い分けていくか」

 6日の阪神戦、7日のオリックス戦ではメジャー組も出場し最終調整に入ってくる。限られた試合の中で、どこまで状態を上げてくるのか、注目が集まる。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)