悪名高い「京成高砂の踏切」解消へ、事実上の国庫事業化の内定と言えそうです。

連続立体交差事業の「お墨付き」

 国土交通省は2022年12月16日(金)、踏切道改良促進法に基づく「改良すべき踏切道」に、85か所の踏切を追加したと発表しました。


京成高砂駅東側の踏切(画像:写真AC)。

「改良すべき踏切道」は「幅員5.5m未満」「5年間に2件以上事故が発生」などの安全面を理由に指定されるものから「1時間の遮断時間が40分以上」いわゆる「開かずの踏切」まで、様々な類型によって順次指定されます。

 踏切解消をめざす地域ではまずこの「改良すべき踏切道」への追加に向けて要望等を行うケースが見られます。

 それらはちょっとした拡幅工事や改良工事で済むものも多いですが、なかでも開かずの踏切指定はその解消の難しさから連続立体交差事業に結びつくことが多く、事業化の"お墨付き"を与えるもののひとつとして機能しています。

 今回追加指定された85か所のうち「開かずの踏切」とされた唯一の事例が、東京都葛飾区の京成高砂駅の東側2か所の踏切です。京成本線と北総鉄道が走る交通結節点で通過本数も多いだけでなく、電車が駅構内にいる時点から踏切が作動して遮断時間が長くなり、区内の主要東西軸である道路のため、渋滞も慢性化していました。

 2008年に都はこの踏切を含む周辺区間(京成高砂〜江戸川)を連続立体交差事業の「事業候補区間」に選定し、国による事業化に向けて準備を進めていました。そして今年2022年に国土交通省は、費用便益比などをふまえ、事業化の一歩手前である「着工準備」として採択していました。

 今回の「改良すべき踏切」指定で、いよいよ事業化への準備はほぼ整ったと言えそうです。