韓国代表につきまとった“雑通訳”問題…重要な指揮官の去就発言でもミス【カタールW杯】

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結局、最後までまともな通訳を聞くことができなかった。

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2022年カタールW杯の現場で働いた韓国の取材陣は、大会中ずっと通訳で苦労していた。 試合前後に開かれる公式記者会見で辻褄の合わない言葉に訳したり、間違った内容を伝えたりして混乱を招くことが多かった。

果たしてサッカーに対する知識が足りないのか、重要な内容を逃すことも少なくなかった。

不満が積もりに積もったなか、11月27日に初めての“事故”が起きた。ガーナ戦前の記者会見に参加した韓国代表パウロ・ベント監督は、DFキム・ミンジェ(26、ナポリ)の出場可否について話したのだが、通訳は最初の発言で「明日、キム・ミンジェの出場は難しい」と伝えた。

ところが会見中、ほかの質問で違和感を持ったベント監督が「通訳が間違っているようだ」と当惑。

重要な場面でもミス…

 

結局、英語で話してほしいという取材陣に要請により「キム・ミンジェの出場はまだ分からない。明日までに状況を見て決める」と訂正したのだった。このように、守備の要であるキム・ミンジェの状態をきちんと伝えられず、大きな混乱を招いていた。

以後、韓国サッカー協会は大会組織委員会側に、このような事件が再発しないよう是正してほしいと要請。ところが12月6日、再び大きな事故が起きてしまった。

韓国とブラジルの試合後、ベント監督は韓国との契約が終わるため、進退についての質問を受けた。この質問に対して通訳は最初、「まだ去就を決めていない。休息を取ったあとに選択する」と話した。確かに、どのような決定を下したのか分からない曖昧な発言だった。

パウロ・ベント監督

記者会見が終了すると、約5分後に協会の広報担当者と通訳が登場。広報担当者は「通訳がまともになされなかった」として、ベント監督の発言に対する訂正が必要だと話した。

そして通訳が「ベント監督は“韓国との旅は今日を最後に終える。9月から考えていた。今日会長とも面談したし、選手たちとも話した。再確認する場だった。休みながらリフレッシュするつもりだ。その後、去就を選択する予定だ”と述べた」と新たに説明している。

「再契約を断ったのか」という韓国取材陣に対し、広報担当者は「そうだ」と答えた。通訳が初めて伝えたのとはニュアンスがはっきり違っていた。

ベント監督の進退は、大会を終えた韓国代表にとって最も重要な事案だ。4年4カ月にわたって、チームを指揮してきたベント監督が再契約するかどうかは、韓国のサッカーファンの間で大きな関心事だ。

このような重要な内容を、通訳が正確に伝えられないのは深刻な問題である。ワールドカップという大きな舞台でこのようなことが2度も起きたことは、組織委員会のずさんさを指摘せざるを得ない。