「笑亀マン」となった丸山容疑者(SNSより)

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 子どもにとっては、自慢の父親のはずだった。

【写真】上半身裸で親指を立てて…、女性に囲まれてへべれけに。酒に飲まれる丸山容疑者

長野県塩尻市に住む丸山希美さん(当時47)が、'21年9月29日に自宅兼酒蔵で何者かに殺害された事件で、長野県警塩尻署に設置した捜査本部は約1年2か月にわたる捜査の結果、被疑者を特定。会社役員の丸山大輔容疑者(48)を11月28日、殺人容疑で逮捕した」(捜査関係者)

 被害者遺族である夫が“殺人犯”として逮捕され、激震が走った――。

「もう、言葉もありません。丸山さんの中学生と小学生の息子さんが心配で……。お母さんが亡くなったショックからお休みしていた学校も、やっと行けるようになったのに。上の子が学校帰りに家の前で友だちと話している姿を見かけると、切なくて。お母さんが亡くなって、ただでさえ寂しい思いをしていたのが……」

 近隣住民の女性は、力なく語ると目に涙を浮かべた。

 丸山容疑者は慶応大学を卒業後、明治16年創業の老舗酒蔵『笑亀酒造』を継いだ跡取りであり、'15年に長野県議会議員として初当選し、今は2期目を務める地元の名士。

容疑者が跡を継いだら従業員が一斉に辞めた

「20年前に丸山容疑者のお父さんが亡くなって、若くして跡を継いだんです。ただね、酒造りの才能はなかった。揉めたようで杜氏含む従業員が一斉に辞めちゃったので丸山クンが杜氏兼社長だったんだけど、お酒の味もすっかり変わってしまった。もともとは端麗のキリッとした昔ながらの日本酒が、すっごく甘くなって。“あんな酒飲めない”と、地元の人の気持ちは離れてしまったんです」(同・女性)

 実家が酒蔵だったとはいえ、経営のノウハウも、酒造りに関してもズブの素人。そう、うまくいくはずがない。

「それを支えていたのが、妻の希美さんでした」

 そう話すのは、丸山容疑者夫妻をよく知る男性だ。

 希美さんは、丸山容疑者と同じ塩尻市出身だが、木曽川流域にある漆器の産地が地元。実家は有名な老舗漆器店だ。

 ふたりは青年会議所で知り合い結婚し、2人の子宝に恵まれた。希美さんは家庭に入り、丸山容疑者を支えた。

「希美さんは経営がうまくいってなかった酒造を、立て直そうと一生懸命でした。彼女の実家は全国各地に支店を持つ有名漆器店ですから、経営ノウハウを提供してね。新たに杜氏を迎え入れ、酒の味を改善した。杜氏が入った当初、酒蔵を見て“この環境では、いい酒は造れない”とこぼしたそうです」(同・知人男性)

 希美さんは懸命に働いた。

妻の実家からの資金援助は1億円近かった

「歴史ある酒蔵ですから、施設も老朽化していた。その設備の修繕費などは、希美さんのご実家から資金援助を受けていた。それ以外の部分でも助けてもらっていたので、そうとうな金額を援助してもらっていたはず。たぶん1億円近かったんじゃないかな……。丸山クンを県議の仕事に集中させるため、酒造の運営は、希美さんが担っていた。商品企画や資金繰りに至るまで、全部です」(同・知人男性)

 希美さんは、丸山容疑者の家業再建に奮闘するも、評価を覆すのは難しかった。前出の近隣住民の女性が明かす。

「杜氏さんと希美さんの2人が、酒造を盛り立てようと頑張っていました。でもね、地元では悪いイメージがついてなかなか……。市内の飲食店でも“あの酒は不味いから置かない”なんて声もありました。選挙が近づけば大輔クンと一緒にあいさつに来てね。明るくて社交的で、本当にいい奥さんでしたよ」

 そして、こうも続ける。

「なのに大輔クンについては何年も前から悪い噂が聞こえていて。“アイツは女とイチャついていた”とか“彼女と遠くに遊びに行ったらしい”とかね。仲のいい夫婦に見えたので、私は信じなかったんですが……」(同・近隣の女性)

 一部報道では、丸山容疑者が不倫しており、夫婦の間に“離婚トラブル”があったとも報じられたが、丸山容疑者の“女遊び”は、地元でも知られた話だった。青年会議所の関係者が証言する。

容疑者の不倫相手は自民党の県連関係者か

「問題の不倫相手は既婚者で、丸山さんも所属していた自民党の県連関係者だと聞いています。家業は奥さんに任せて、よくやるなと呆れますよ。議員としての能力もなかった。家業もまともに経営できない人に、県政を担えるわけがないでしょう」

 聞こえてくる評判は、悪いものばかり。希美さんとのトラブルはほかにも。

「今年の9月から、“別の人に酒造経営を任せる”という話は聞いていました。希美さんが亡くなり、運営が回らなくなったのでしょう。だが、経営方針をめぐるトラブルは、希美さんが生前のときからあったという報道も。資金援助を受け、希美さんが一生懸命に立て直したわけですから、他人に経営を任せるなんて、許せないでしょう。希美さんが強く反発し、揉めていたのでは」(同・関係者)

 事件当日、丸山容疑者は長野市にある議員会館に宿泊していたと主張しているが、

「犯行が行われた午前0時から午前6時45分までの間に、議員宿舎にいるはずの丸山容疑者が自宅方面へ車を走らせている姿が防犯カメラの映像に映っていた。犯行は非常に高い計画性を感じます」(全国紙社会部記者)

 丸山容疑者と深い親交があった建設会社社長によると、

「丸山クンが容疑を否認しているとの一部報道もありますから、私は彼が犯人ではないと信じています」

 だが、丸山容疑者の自宅付近に住む男性は、

「事件後に丸山さんは車を買い替えたんです。トヨタのミニバンから日産のSUVに。奥さんの車もなくなっていたので、2台を1台にしたのかなと思っていたんですが……」

 証拠隠滅を図ったのか。

 今年の春先からは塩尻市内で飲み歩く丸山容疑者の姿がたびたび目撃されていた。心に深い傷を負った息子たちを自宅において――。