JR大阪駅の新たな地下のりば「うめきた地下駅」と、在来線の新改札口「西口」の現場の様子が公開。発展する大阪駅北西部の玄関口として、便利な存在となりそうです。

2023年春の開業に向けて大詰め

 JR大阪駅は2023年春に大きな変化を迎えます。駅北西を通る貨物線を地下化のうえ「うめきた地下ホーム」を開業し、これまで大阪駅を素通りしていた関空特急「はるか」や和歌山方面行き「くろしお」が停車するようになるほか、「西口」が新設され、再開発中の西側やうめきたエリアへ直結するようになります。


JR大阪駅の西口につながるホーム延伸部(乗りものニュース編集部撮影)。

 この「うめきた地下ホーム&うめきた地下口」「西口」が2022年12月1日に報道陣へ公開されました。現時点で「うめきた」の工事進捗は9割、「西口」は6割とのことです。

 うめきた地下ホームは地下2階。入口の地上建屋はグランフロント大阪のすぐ南西側に位置しており、スカイビルのあたりを抜けていた貨物線時代からは想像できない、「ほとんど大阪駅」の場所まで寄ってきていることがわかります。敷地内にポツンと建った建屋の周囲はまだほぼ更地。開業時もまだ暫定状態ですが、とりあえずグランフロント方面との行き来ができる形にはなるといいます。

 うめきた地下のりばは改札口などを含め、すでに仕上げの段階です。土木工事中は地下水位の高いエリアで排水に苦労したといい、ピーク時は1000人が工事に携わっていたといいます。

ホームが延びて四ツ橋より西へ

「御堂筋口」「中央口」に続いて、新たに南北自由通路とともに設置される「西口」。位置は四ツ橋筋のさらに西側で、南側ロータリーに面した「桜橋口」からは道路を挟んで向かい側です。「御堂筋口」「桜橋口」に比べてややおとなしい出口名称ですが、「大きく発展していく西側エリアへの新たな玄関口として、『西口』に決定しました」とのこと。

 四ツ橋筋を超えて西側にある改札口へのアプローチのため、JRのホームも西側へ延伸します。延伸部はあくまで通路扱いで、そこに電車が停車してドアが開くことはありません。2023年春には暫定開業ということで、いくつかのホームがつながり、いくつかのホームはまだ工事中という状態だそうです。とくに北端の11番線は特急くらいしか使用しないということもあり、ホーム延伸工事がまだ進行中です。


工事が進むJR大阪駅西口(乗りものニュース編集部撮影)。

 西口構内は既存の構内のデザインをおおかた踏襲したもので、「水の都大阪」をイメージしたものになっています。構内西側にはオープンな待合スペースが設けられ、列車待ちや休憩に利用することができます。現場公開では、エスカレーターやエレベーターがすでに姿を見せ、電気工事は内装工事が急ピッチで行われていました。

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 うめきた地下ホームは2023年春に使用開始が発表されていますが、「はるか」「くろしお」のほかにも列車がやってくるのか、本数は変化するのかなど、運行概要はまだ未発表です。その関係もあってか、ラインカラーも「まだ発表できる段階にありません」とのこと。ただし、2025年の「大阪・関西万博」の会場輸送の際には、新大阪発着の桜島行き一般列車が運行されることが決まっています。

 うめきた地下線の開業により、特急列車と貨物列車はそちらに切り替わり、貨物ヤードや中津の下町風景をのんびり進む地上線は、いよいよ見納めとなります。この貨物線を記憶するモニュメントなどの設置については、現時点で特に計画は無いそうです。