資産3億円、年収2500万円…交際経験ゼロの富裕層オタク社長が"年収800万円"と偽って婚活をした結果
※本稿は、横井睦智『オタク婚活はじめます』(すばる舎)の一部を再編集したものです。
■自分が「底辺」と思うなら、まずは年収を上げたほうがいい
どんなにプロフィールの表現にこだわっても、こだわりようがないのが「年収」です。実際問題、年収300万円以下の人は、婚活をスタートする前に、まずは年収を上げることを目指すべきだと思います。
以前、年収300万円前後の男性が面談に来たのですが、私は失礼を承知で、「年収を上げてから、再度来てください」とお願いしました。すると1年後、彼は転職して年収を350万円に上げ、再びやってきて入会をしました。その後もキャリアアップを続け、最終的には年収450万円のときに成婚を果たしました。
漫画『賭博黙示録カイジ』ではありませんが、低所得者で「今の自分から這(は)い上がる」という根性のない人は、婚活しても失敗するだけです。
自分が「底辺」だと思うなら、結婚を逃げ道にせず、まずは年収を上げることを目指してほしいと思います。婚活はそれからのほうがうまくいきます。
■「プロフィールに年収を低く書く」を勧めたワケ
一方で、年収が多いオタク男性も、婚活で注意しなければならないことがあります。お金めあての女性のカモにされる危険性があるのです。
年収1000万円以上になると、男性が自分からアクションをかけなくても、たくさんの女性が近づいてきます。恋愛経験が少なく、争いごとを好まない高年収のオタク男性は、お金めあての女性にとっては格好の獲物。「働かなくてもいい」「贅沢(ぜいたく)できる」「好き勝手に生きていける」と考え、積極的にアプローチしてくるのです。
一緒にいてくれるならそれでもいい、と考える人もいます。しかし結婚後の生活は、まともな夫婦関係ではなく、お金めあての愛人関係に近くなります。普通の家庭生活を送りたい方にはオススメできません。
■年収2500万円のオタク社長が「年収800万円」と偽った結果
大半の高収入オタク男性は、普通の結婚を望んでいるので、「どうすればお金めあての女性を排除できるか?」という相談をよく受けます。
そこで私は、「プロフィールに年収を低く書く」ことを提案しています。
次のような例がありました。
あるIT企業の男性社長は、年収は約2500万円、資産は3億円以上を有していました。ひたすらパソコンに向き合って仕事をしてきて、女性との交際はそれまで皆無。近寄ってくる女性はみな肩書やお金だけに興味があるのは明らかで、そうではない形で婚活をしたいとのことでした。自分がオタクなので弊社を選んでくれました。
私は彼から、望む女性や結婚生活はどんなものか聞き取りをし、プロフィールには年収800万円と記載しました。
なぜ800万円にしたかというと、彼の生活レベルで、奥さんが働かなくてもなんとか生活できるラインが年収800万円だと判断したからです。上場企業の社員の年収程度で、男性全体の平均年収よりは多い金額です。
あまりにも年収を下げすぎると、今度は彼とは生活感覚が合わない人が申し込んでくる可能性もあるため、「ややお金持ち」という設定にしたのです。
■お金目当ての人を見抜ける可能性が高くなる
結局、彼は年収400万円の女性と成婚しました。自分が実はIT企業の社長であることを話したのはプロポーズのときでした。嘘をついていた理由もきちんと話したところ、女性には納得してもらえたようです。
このように、プロフィールの年収を低く書くことで、高収入の男性はお金めあてでない女性と出会える可能性が高まります。
ほかの仲人さんには、年収を偽るのはいかがなものかと指摘されたことがあります。でも、会員さんの意向があるときに、多い年収を少なく記載するのは問題ないでしょう(少ない年収を多く記載するのは問題です)。
プロフィールに記載する年収は、お互いが生活していく上での目安になる金額を記載すればいいので、実際より低い金額にしても問題ないと弊社の会員さんには伝えています。
相手の女性がお金めあてかどうか見抜く自信がない高収入オタク男性は、年収をそのまま書くのではなく、意図的に下げることを検討してみてください。
■プロフに「オタ趣味」を書いてはいけない
プロフィールにオタ趣味は書くべきか、書かざるべきか。
結論から言うと、絶対書くな! です。
オタクの人は、自分を偽っているようで心外かもしれませんが、婚活を成功させたいなら書いてはいけません。
さまざまな婚活コンテンツに上がっているプロフィールを見ると、最近は自分のオタク属性をアピールする人が多くなりました。結婚相談所の仲人にも、「オタクを出して」と指導するところがあります。その結果、マッチング率が高まるかというと、そんなにうまくはいきません。
むしろ、オタク属性をアピールすることで、ご縁がなくなっているケースのほうが多いように思えます。なぜなのでしょうか?
そもそもオタク趣味というのは、「品のないもの」だと私は考えています。初対面の人に話すべきことではありません。堂々と自慢げに話す話題ではないのです。
クールジャパンなどと取り沙汰されて勘違いしてしまっているオタクがいますが、いまだオタク趣味(特にアニオタ)というのは、一般の人にとっては、変態的で、ロリコンで、病的な異常性を感じるもの、品のないものなのです。
アメリカのCNNの記者は、AKB48を念頭に秋元(あきもと)康(やすし)氏に「少女への性的搾取に関与してい
オタク趣味をさらけ出すことは、自分が下品だと表明しているようなものです。これが、オタクの婚活がうまくいかない場合の原因の一つです。
■婚活に失敗しがちなワケ
オタ女性は、オタク趣味を「品のない趣味」と認識しており、職場などではオタクを隠す傾向にあります。よく「擬態する」などと言いますが、この人は信用できる、オタク仲間だと認めた人に限り、オタクを出していくのです。
一方、オタ男性は「オタクの俺をありのままに認めてくれ!」と言わんばかりに承認欲求が強いため、誰かれかまわずオタクをさらけ出す傾向にあります。
すると、何が起きるかというと、いくらオタク男性がオタク属性をアピールしたところで、相手がオタク女性でも一般女性でも、ただただドン引きする、という結果になります。女性からしたら、初対面でコートをバッと開いて恥部を見せつけてくる変質者と同じです。女性は、変質者とのオタク話なんて望んでいません。
つまり、プロフィールは「どんな異性にもウケるように書く」のが正解です。そのためには、むしろ絶対にオタクだとバレないよう擬態する必要があります。普通の人を装うのです。あなたが婚活でアピールすべきなのは、オタク属性ではなく、あなたの人間性や性格、オタク以外のスペックであることを忘れないでください。
「この人ならお付き合いできそう」「この人なら一緒にいてもいい」「この人なら私をわかってくれそう」と、相手に「この人なら」と確信を持ってもらって、人間関係の基礎を築いていくことが先決です。人間関係の基礎ができれば、その後にオタクをカミングアウトしても、相手は認めてくれるでしょう。
■「世間に受け入れられている」大いなる勘違い
昨今は芸能人の中にも、オタクであることを公言する人が増えています。それを見て、「オタクは世間に受け入れられている」と思うのは大いなる勘違いです。
芸能人たちは、すでに「万人から称賛される芸」を持っている人たちです。その人たちはオタク属性をさらけ出すことで、「芸の幅」を広げ、仕事を増やしています。
あんなにキレイな人(かっこいい人)がアニオタだったなんて! と「ギャップ萌え」効果もあり、ますます人気が高まります。
一方、ただの普通のおっさんがオタク属性をさらけ出しても、なんらギャップはありません。だから、誰も萌えません。芸もないから、芸の肥やしにもなりません。普通の人が、オタクであることをアピールしても、メリットは一切ないのです。
婚活の現場で、人間関係の基礎ができるまでは、オタクであることを封印しましょう。
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横井 睦智(よこい・むつとも)
オタク婚活コンサルタント
1971年、岐阜県生まれ。オタク専門婚活戦略コンサルタント。幼少の頃からアニメや漫画に興味をもち、学生時代にはオタクといじめられ、社会人となる。友達の紹介から婚活パーティーやコンパに参加するもうまくいかず、数々の結婚相談所に相談に行くも、強引な営業に嫌気がさす。そこで、自ら女性との会話や接し方を研究。努力の甲斐あり、2000年に結婚。2012年、日本で初めてオタク・腐女子に特化した専門の結婚相談所ミューコネクトを立ち上げる。著書に『オタク婚活はじめます』(すばる舎)、『ガチオタが1年で結婚できたわけ』(デザインエッグ社)がある。
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