家を建てるとき、室内でペットを飼っている家庭では、人間だけでなくペットにとっても安全で快適な建材設備を選びたいものです。10年前にハウスメーカーで家を建てた日刊Sumaiライターは、5年前から犬を飼い始めました。想定はしていませんでしたが、採用してペットにもよかった建材や設備があることを発見。反面、あればよかったと思うものも。詳しくレポートします。

ワックスフリーの傷が目立ちにくいフローリングを採用。掃除もラクに

わが家はワックスを塗る必要がない、ワックスフリーのフローリングを、全部屋に採用しています。設計時にハウスメーカーの担当者から、ワックスを塗る手間がないだけでなく、汚れや傷に耐性があると言われ採用しました。

「エコメッセージフロア」という名称の商品です。色がダークブラウンなので、ペットの爪による小さな傷などは、それほど目立ちません。

以前の家でも使っていた、一般的なフローリングだと、溝にホコリなどたまりやすいと感じていました。しかし、このワックスフリーは、溝にまでしっかりとワックスが塗られている仕様なので、日常のホコリや犬の抜けた毛などがたまりにくくなっています。

犬の足跡などの汚れも落としやすい加工なので、犬を飼う前と変わらずラクに掃除ができています。

 

24時間換気と天井ファンで、ペット臭は気にならない

犬を飼う前に課題のひとつにあがったのがペット臭。機密性の高い家なので、ペット臭が室内にこもってしまう可能性があります。

この課題を解決してくれたのが24時間換気システムです。家を建てた10年前にはすでに24時間換気システムの導入が義務化されていたので、家の中に数か所換気システムを導入してあります。

夏や冬はエアコンを使用するので窓を閉めきってしまうことが多いのですが、イヤなペット臭を感じることがありません。この換気システムの効果は大きかったと感じています。

 

また勾配天井のあるリビングには天井ファンを取りつけたので、部屋の中の空気を循環してくれています。この天井ファンと24時間換気システムとの合わせで、常に空気循環がされていることが、よかったのだと実感しています。

 

ペットにとっても、日向ぼっこできるベランダがあって大正解

わが家の犬は、夏でも外で日向ぼっこをするのが大好きです。家は2階建てなので1階の庭に出て遊ぶこともできるのですが、犬の生活スペースが2階にあるために2階にベランダをつくって正解だと感じました。

もちろん人が外の空間を楽しむために当初は設置したものですが、犬にとってもちょっとした遊べる空間になっています。

また、これから犬が年を取り、1階との行き来が大変になったことを考えても、2階にベランダをつくってよかったと思っています。

いちばんよかった点は、わが家の犬は外でトイレをすませたい派であること。家の中でもトイレシートでできるのですが、できれば外ですませたいという性格なので、ベランダ(外)でトイレができることが、とても助かっています。

 

外構の水栓と縁側をつくったことで、足洗場と体ふきがスムーズに

散歩から帰ってくると、家に入れる前に足を洗わないといけません。しかし、家を建てた際には、犬を飼うことを想定していなかったので、ドッグフレンドリーな足洗場などは設置しませんでした。

この問題も外構に水栓を設置していたことで、十分間に合っています。また水栓のすぐ横に縁側を設置したので、縁側に上がり足・体ふきの作業を終えて、はき出しの窓から室内に入っていけるという、一連の作業がラクにできています。

室内にこのスペースがあればいいなとも思ったことはあります。しかし、その分の空間を取られてしまうので、これでよかったと満足しています。

パントリーにドアがあったおかげで、いたずら防止できた

家を建てる際に、パントリーにドアを設置する必要があるのかどうか、悩んだことがありました。結論は、ドアを設置。ごちゃごちゃしやすいパントリーになるだろう、そして、それが丸見えになるのは…と思ったからです。

結果的に、これが今ではとても役に立っています。パントリーには犬用のご飯やおやつをすべて収納。留守の際には、いたずら防止のために、ドアを閉めることができます。引き戸タイプのドアなので、今まで一度もいたずらで犬に入られたことはありません。

もし、家を建てる当初からペットを飼うことが決まっていたら、こういったいたずら防止のためのドアだけでなく、事故を防ぐためにも、危険な箇所にはドアの設置を考えたほうがいいと思いました。

 

階段の行き来がラクに自由にできる滑り止めシートは追加で購入

階段の昇り降りは、犬が少し成長してから気づいた課題です。好奇心が旺盛になり始めた頃に、階段の昇り降りを始めました。一度、滑りかけたことがあり、それ以来怖がっていたのですが、滑り止めシートを置いたら怖さがなくなったようで、自由に1階と2階との行き来ができるようになりました。

もともと階段には通常の滑り止めがありますが、それだけだと犬にとっては滑りやすく危なかったようです。シートを敷く前と後では昇り降りの軽やかさも違いますし、昇り降りによる足腰の負担も軽減できているようです。またダークブラウンの床では、犬にとって見えにくいだろうと考え、シートの色も少し明るめのブラウンを選択してみました。

犬も行き来ができることが楽しいようですが、1階に住む筆者の両親も、たびたび下りてくる犬と遊ぶのが楽しみになりました。

 

現在は、ペット用網戸の設置の設置を検討中

わが家の犬は外に出ることが大好きなので、いつも窓を開けている状態です。季節のよい時期は、犬が通れるぐらい窓をあけておくことは問題ないのですが、夏場は窓をあけたままにしておくと、虫が入り、かなり厄介です。

そこで現在考え中なのが、ペット用網戸の設置。網戸の一部がペット用ドアになっていて、網戸を開けなくても外との行き来ができるというすぐれものです。犬にとってもいつでも外に出られること、またこれから夏を迎える準備として、虫の侵入が軽減されるのではと期待しています。

わが家を建てる前は、住む人中心に考えた建材や設備の選び方をしました。そして5年前に犬を家族に迎え入れ、犬にとってどういった環境が快適なのかを考え、改めて家の状態を見直してみました。

すでに採用した建材や設備が、ここまで犬との生活に役立つとは思っていませんでしたが、家の大きな修正をせずに今まで過ごせてこられてよかったと思っています。