既婚女が、全室スイートの高級旅館へ1泊旅行。そのあと夫から離婚を切り出され…【男と女の答えあわせ vol.107】
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-あの時、彼（彼女）は何を思っていたの…？
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は？
▶前回：彼のお母様のプレゼントまで一緒に買いに行ったのに…。男が女を“嫁候補”から外した納得の理由
「美咲。ちょっと話があるんだけど…」
金曜24時。久しぶりに遅くまで飲んで帰ってきた夫、友也の真面目な声のトーン。私はそれを聞いて嫌な予感がした。
「いや、酔ってないよ」
「話ってなに？今日じゃないとダメなの？」
週末の今日、珍しく私は家にいて、久しぶりに早く寝ようと思っていた。
「美咲のことは今でも好きだし、本当に大切に思ってる。でもごめん…。別れたいんだ」
「え？え？」
結婚して約2年。友也は、私のことが大好きだったはずだ。
「嘘でしょ？どうしたの？突然…」
「美咲、違うよ。僕はいたって真剣だよ」
私は友也が大好きだ。そんな彼のまっすぐな視線を一心に受けて、思わず涙が出てくる。
「なんで？私が何をしたの？？」
「ごめん。美咲は悪くないと思う。ただ僕のワガママだから」
もちろん、私は離婚に応じないつもりだ。でももう二度と、元の関係には戻れないことだけは理解していた。
男が2年の間に我慢していたコト。離婚するに至った経緯とは？
Q1：男が結婚前に確認しておくべきだったことは？【� �
友也との出会いは、共通の知人の紹介だった。そもそも、私は友也の顔がものすごくタイプだった。
「え？あの人が友也さん？めちゃくちゃカッコイイじゃん」
友人にそう耳打ちをすると、友人は喜んでいる。
「でしょ？2人は絶対に合うと思ったんだよね〜」
友人のおかげで初対面で意気投合し、すぐに2人でデート。そして初デートで付き合い始めたのだ。
「美咲ちゃん、僕と付き合ってほしい。結婚を前提として」
「もちろん。こちらこそ、よろしくお願いします」
他の人にこの話をすると、「早すぎる」とか「もっと見なくていいの？」とか言われたけれど、直感がすべてだった。
実際に友也と交際したらすごく楽しくて、示し合わせたかのように趣味まで合った。お互いゴルフが好きで、美味しいご飯屋さんを巡るのも好き。お酒が好きなことまで一緒だった。
「美咲ほど、性格が合う子は初めてかも」
「それはこっちのセリフだよ。友也といると、本当に楽しいな」
私たちが籍を入れるまでに、時間はかからなかった。結局出会ってから半年でプロポーズされ、すぐに入籍をした。
けれどコロナの影響もあって、結婚式も披露宴もできていない。そんなことをしている間に子作りのことも考えなければならず、正直どのタイミングで何をすればいいのか悩んでしまう。
「ねぇ友也。結婚式どうしようね。このまましなくてもいいかな…」
「そうだね。僕はしなくてもいいけど、美咲はしたいんじゃないの？」
「本音を言うとそうだね。本当は100人くらい呼んで、派手にやりたいのにな〜。海外で挙式だけして、1.5次会的なのは東京のホテルでして。で、長いベールのウエディングドレスを着るんだ」
「芸能人並みに盛大だね（笑）」
「いいじゃん、一生に一度のことなんだから」
しかし結局、そんな豪華な結婚式の夢も叶わぬまま。気がつけば、籍を入れてから1年が経っていた。
「いつになったら外食できるかなぁ〜。美味しいお鮨も食べたいし、あの焼肉屋さんにも行きたいし…。とにかく美味しいご飯が食べたいな」
散々、コロナに振り回された2年間。私の“外に出たい”欲求は、我慢の限界に達し始めていた。
「そうだね。もう少しの我慢だよ。収まったら、思いっきり美味しいものを食べに行こう！」
「そうしよう！」
こうして、私たちの結婚生活は平穏に過ぎていった。…はずだった。
順調だったはずの結婚生活に暗雲が立ち込めた理由は？
Q2：結婚前に、男が確認しておくべきたったことは？【�◆曄抬�】
ただ、いつからだろうか。友也の態度が何となく変わり始めた気がしたのは。
「友也〜。来週末、真由と箱根まで温泉旅行に行ってきてもいい？」
「温泉？いいなぁ。もちろんいいけど。どこに泊まるの？」
「できたばかりの、全室スイートのところだよ」
「え、そこに女2人で行くの？」
「うん♡1泊10万超えだけど、女2人だよ（笑）」
「すごいね。まぁ楽しんできてね」
この温泉旅行のとき、もしかしたら浮気を疑っていたのだろうか？しかも帰りにアウトレットへ寄って爆買いまでして、私はかなりの上機嫌で帰宅した。
今から考えると友也が疑うのも無理はない。週末に高級旅館へ泊まりで行き、帰りに買い物までして鼻歌混じりで帰ってきた妻…。
帰宅した私を見ながら、友也は怪訝な顔でこう聞いてきた。
「また洋服と鞄、こんなに買ったの？このお金、どこから出てるの？」
彼にそう聞かれたが、本当に女友達と2人で行ったしやましいことは一切ない。
「安くなってたから！もちろん、全部自分で買ったよ？」
「ふ〜ん、そうなんだ」
私に、こういう物を買ってくれる男性がいるとでも思ったのだろうか。
もしくは一緒に行けなかったからスネた…？でもそんな小さいことを気にする男ではないはず。この時は、友也がそれ以上追及してこなかったので、喧嘩にも発展せずに終わった。
でももしかしたら心のどこかで、ずっと私を疑っていたのかもしれない。
「ただいま〜！！」
そんなある日。金曜日だったということもあり、クライアントに付き合わされ、久々に深酒をしてしまった私は帰宅が25時になってしまった。
「美咲、お帰り〜。遅かったね」
「もーあのクライアントさん、とにかく飲んだら長くて長くて…」
まん防が解除され、ようやく自由に飲めるとなった途端、広告代理店で営業をしている私は営業先からの飲みの誘いが一気に増えた。
私の仕事は営業なので、断れないことが多い。必然的に外食も多くなり、帰りも遅くなることが増えた。
でも何度も言うけれど、浮気をしていたわけではない。ただの仕事関係の飲み会だった。けれども友也はどこか嫌そうな顔をしている。
「美咲、こんな時間まで仕事？誰と飲んでいたの？」
「連絡したよね？仕事関係の人だよって」
「わかってるけど…」
「仕方ないよ。断れない誘いも多いし、仕事につながるものもあるし。友也にはわかんないかもしれないけど」
友也は、ITエンジニアだった。彼には“営業で飲む”なんていう発想は一切ない。
「たしかに僕にはわからないけど…でも断れる誘いもあるでしょ？全部に顔を出していたら、体が持たないよ？」
友也の言っていることは正しかった。けれども、こちらにはこちらの仕事のやり方がある。でもそれを今の友也に言っても仕方のないことだけは理解できた。
「ごめん。でもこれは仕事だよ？別に遊んでいるわけじゃないから」
「そうだよね…ごめん。美咲そんなにお酒が強くないから、心配になっただけ」
「心配してくれてありがとう。遅くなってごめんね」
お互い、何かあればちゃんと“ごめん”と言い合える。私たちはそういう関係だったはず。
「ううん。とりあえず、お風呂入れば？ゆっくり休んでね」
私の帰宅を見届けたら安心したのか、この日の友也はひとりで早々に布団に入って寝てしまった。
喧嘩はしたくなかったので、一応翌朝も私は謝った。
「友也、最近帰りが遅くてごめんね」
「いや、大丈夫。理解しているから。朝ごはん、どこか食べに行く？この前近所にオープンしたカフェとかどう？」
「いいね！」
喧嘩をしても、基本的にこうやってすぐに解決してきた私たち。
だが彼の中で何かが溜まっていたのか、まさかの“離婚”という結論になってしまった。
一体、どこから私たちの歯車は噛み合わなくなっていたのだろうか…。
▶前回：彼のお母様のプレゼントまで一緒に買いに行ったのに…。男が女を“嫁候補”から外した納得の理由
▶1話目はこちら：「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
▶NEXT：4月17日 日曜更新予定
男が結婚したことを後悔した理由は？
