トランスフォーム車いす!

身体的な制約からの解放目指す

 全く新しい「起立する電動車いす」が近々登場しそうです。立ち上がりの動作を実現することで、エスカレーターに乗ったり、少し高い位置にあるものに手を伸ばしたりできるといいます。


起立した状態の車いすでエスカレーターに乗るイメージ(画像:LIFEHUB)。

 ベンチャー企業のLIFEHUB(東京都北区)が2022年3月1日(火)、サイバーエージェント・キャピタルやインキュベイトファンドから約1億円の資金調達を実施したと発表しました。2023年夏に一般販売を予定している「次世代の椅子型モビリティ」の製品開発や経営基盤強化に向けた人材の採用に資金を活用するとしています。

 同社が開発しているのは、二輪起立構造を実装した次世代型電動車いす「TRANSELLA(トランセラ)」(仮称)。一般的な電動車いすとしても利用できるほか、車輪がついている脚の部分を伸ばすことにより、座ったままの状態で約60〜80cm立ち上がることができるそうです。

 起立した状態で歩行し、狭いスペースも移動できるほか、360度の方向転換も目指しているとのこと。立ち上がり時に周囲とぶつからないようにするレーザーを活用した接触防止機能、エアバッグ機能といった安全装備や、重心移動による操作も実現できるよう研究を重ねているそうです。

 これら機構により、今までの車いすにはなかった、「歩く、立ち上がる、乗り越える」動作を実現するとのこと。LIFEHUBは「人類の身体的な制約からの解放」を経営理念に掲げています。2023年7月に「トランセラ」イニシャルモデルの一般販売を始め、2024年中にも量産型の市販モデルを投入する予定としています。