17年前の3月6日、愛知県の郊外にリニア浮上式鉄道が開業しました。

平成初期から開発が進む


磁力で浮いて走る「リニモ」(乗りものニュース編集部撮影)。

 2005(平成17)年の3月6日。名古屋市の藤が丘駅と豊田市の八草駅をむすぶ、愛知高速交通の東部丘陵線、通称「リニモ」が開業しました。

 この鉄道はリニアモーターで走りますが、都営大江戸線や横浜市営地下鉄グリーンラインのような「車輪のついた車両を、磁力で推進させる」というものでなく、「軌道から完全に浮いたまま、磁力で推進する」というものです。これは日本では初の営業運転の事例で、2例目は、現在建設が進められているリニア中央新幹線となる予定です。

 1989(平成元)年から名古屋市の大江実験線などで開発が行われ、当時から最高速度が100km/hに達するとされていました。その後、2005年の3〜9月にかけて開催された国際博覧会「愛・地球博」への輸送アクセス路線にも位置付けられ、2002(平成14)年に都市計画決定し、着工したのです。

 軌道とは接触をもたないため、走行音はかなり静か。藤が丘駅を出発してしばらくは地下と急カーブの続く区間でゆっくり走りますが、杁ヶ池公園駅を過ぎると一気に加速します。騒音も揺れもない「近未来の乗りもの」として、万博の目玉のひとつとなりました。

 2022年11月には、愛・地球博記念公園にスタジオジブリ作品をモチーフにしたテーマパーク「ジブリパーク」が開業予定。アクセス路線として、再び脚光を浴びることになりそうです。