HKT48村重杏奈が卒業を決めた理由「タレントとして、帰る場所があるという甘えを断ち切らないと」
HKT48の1期生・村重杏奈が2021年12月27日の公演をもって、卒業する。今年、HKT48の歴史とともに10周年を迎えた彼女は、最後の日を前にどんな想いでいるのだろうか? 「自分自身に区切りをつけた」という彼女の本音を聞いた(前後編の前編)。
【写真】HKT48「HKT48劇場 10周年記念特別公演」の様子
「もともと(宮脇)咲良が韓国に行く、となったときに、さしさん(指原莉乃)から『咲良が帰ってくるまでHKT48は頼んだよ』と言われていたので、それまでは絶対に卒業しないって決めていたんですよ。そして、今年の5月に咲良が帰ってきて、卒業公演を見送ったことで私もケジメがついた感じですね。
ただ、咲良を見送ったから、という理由ではないんですよ。自分の中で『いま、ひとりにならなくちゃダメだ』って。いまツインプラネットに所属させていただいて、タレントとしても活動しているんですけど、心のどこかに『私にはHKT48という居場所がある』という甘えがあって、本当に居心地がいいから、このままだとダラダラ居続けちゃうなって。だから自分自身に“区切り”をつけるために卒業を決めたんです」
とはいえ、2021年に入ってから卒業する気持ちを固めたわけではない。メンバーの運上弘菜は「1年前の9周年記念公演のあと、村重さんに『もっとMCをちゃんとやろう!』と怒られたんですよ。今になって思えば、あのころからもう卒業のことを考えていたのでは?」と振り返る。
「そうですね。あえて意識して厳しく接してきました。9周年よりももうちょっと前かな? 8周年のあとぐらいから。その時点では具体的にいつ卒業するのかとは考えていなかったんですけど、人の心を動かすのってすごく難しいし、すごく時間がかかるんですよ。だから早めに動いてきました。
私がそうだったからわかるんです。こうすればいいのにって、どうしてもっと早く気がつかなかったんだろうって。選抜に入れなくて、前向きではない時期が私にはあったんですけど、あとになって『あのとき、もっとちゃんとやっていたら……』って。そういう後悔を実際にしてきているので、後輩たちにはそういう思いをしてほしくなかった。
10周年記念公演が終わったあと、昇格できなかったからなのか、5期生がみんな泣いていたんですよ。私からしたら、なに泣いているの?って。5期生のメンバーたちは、私の知らないところですごく努力してきたのかもしれないけど、それが伝わってこないってことは、もう努力していないのと同じだと思うんです。
だから、みんなが泣いているときに『チクショー! わかったよ、やってやるよ! よく見とけよ!!』って気持ちを前面に出してくれるメンバーがいたら面白いなって私は感じちゃいました。最近、4期生のおいもちゃん(堺萌香)がすごくがんばっているじゃないですか? 私も本当にすごいなぁ〜って思うし、そういう先輩が目の前にいるんだから、5期生にはもっともっとがんばってほしい」
ある意味、5期生は村重杏奈が選抜にも入れずに悪戦苦闘する姿を実際に見てきていない世代なので、彼女の言葉の深さが理解しにくいかもしれない。それにしても10周年記念公演のあと、余韻に浸っているようにしか見えなかった彼女が、ここまで冷静に後輩たちの動向を俯瞰で眺めていたことには驚かされた。とことんおちゃらけたキャラで知られる村重杏奈だが、この10年間の道のりはけっして順風満帆ではなかったし、だからこそ伸び悩んでいるメンバーの本心は誰よりもわかっている。
「さしさんが気にかけてくださって、私のキャラを拾いあげてくれたからなんとかなった部分は大きいし、それでも私がダメすぎて、さしさんに呆れられてしまった時期もありました。なによりもさしさんが卒業するとなったとき、ファンのみなさんも『これからコンサートのMCはどうなるんだ?』ってザワついたじゃないですか? それでも、みんなでなんとか穴を埋めようとがんばってきた。
もちろん、さしさんの穴が埋まるはずもないんですけど、こうやって新しい形ができたわけじゃないですか? だから、私が卒業したら、絶対に誰かが飛び出してきてくれるはずだし、そこから新しいHKT48の形ができればいいんですよ。それこそ11周年を迎えたときに、そういうHKT48を見ることができたら、きっと私は『あぁ、1年前に卒業してよかった』って思えるんじゃないかなと思います」(後編へ続く)
【後編はこちら】村重杏奈が語る卒業とお調子者の私「HKT48にいることで自分のことが好きになれた」
【写真】HKT48「HKT48劇場 10周年記念特別公演」の様子
「もともと(宮脇)咲良が韓国に行く、となったときに、さしさん(指原莉乃)から『咲良が帰ってくるまでHKT48は頼んだよ』と言われていたので、それまでは絶対に卒業しないって決めていたんですよ。そして、今年の5月に咲良が帰ってきて、卒業公演を見送ったことで私もケジメがついた感じですね。
ただ、咲良を見送ったから、という理由ではないんですよ。自分の中で『いま、ひとりにならなくちゃダメだ』って。いまツインプラネットに所属させていただいて、タレントとしても活動しているんですけど、心のどこかに『私にはHKT48という居場所がある』という甘えがあって、本当に居心地がいいから、このままだとダラダラ居続けちゃうなって。だから自分自身に“区切り”をつけるために卒業を決めたんです」
とはいえ、2021年に入ってから卒業する気持ちを固めたわけではない。メンバーの運上弘菜は「1年前の9周年記念公演のあと、村重さんに『もっとMCをちゃんとやろう!』と怒られたんですよ。今になって思えば、あのころからもう卒業のことを考えていたのでは?」と振り返る。
私がそうだったからわかるんです。こうすればいいのにって、どうしてもっと早く気がつかなかったんだろうって。選抜に入れなくて、前向きではない時期が私にはあったんですけど、あとになって『あのとき、もっとちゃんとやっていたら……』って。そういう後悔を実際にしてきているので、後輩たちにはそういう思いをしてほしくなかった。
10周年記念公演が終わったあと、昇格できなかったからなのか、5期生がみんな泣いていたんですよ。私からしたら、なに泣いているの?って。5期生のメンバーたちは、私の知らないところですごく努力してきたのかもしれないけど、それが伝わってこないってことは、もう努力していないのと同じだと思うんです。
だから、みんなが泣いているときに『チクショー! わかったよ、やってやるよ! よく見とけよ!!』って気持ちを前面に出してくれるメンバーがいたら面白いなって私は感じちゃいました。最近、4期生のおいもちゃん(堺萌香)がすごくがんばっているじゃないですか? 私も本当にすごいなぁ〜って思うし、そういう先輩が目の前にいるんだから、5期生にはもっともっとがんばってほしい」
ある意味、5期生は村重杏奈が選抜にも入れずに悪戦苦闘する姿を実際に見てきていない世代なので、彼女の言葉の深さが理解しにくいかもしれない。それにしても10周年記念公演のあと、余韻に浸っているようにしか見えなかった彼女が、ここまで冷静に後輩たちの動向を俯瞰で眺めていたことには驚かされた。とことんおちゃらけたキャラで知られる村重杏奈だが、この10年間の道のりはけっして順風満帆ではなかったし、だからこそ伸び悩んでいるメンバーの本心は誰よりもわかっている。
「さしさんが気にかけてくださって、私のキャラを拾いあげてくれたからなんとかなった部分は大きいし、それでも私がダメすぎて、さしさんに呆れられてしまった時期もありました。なによりもさしさんが卒業するとなったとき、ファンのみなさんも『これからコンサートのMCはどうなるんだ?』ってザワついたじゃないですか? それでも、みんなでなんとか穴を埋めようとがんばってきた。
もちろん、さしさんの穴が埋まるはずもないんですけど、こうやって新しい形ができたわけじゃないですか? だから、私が卒業したら、絶対に誰かが飛び出してきてくれるはずだし、そこから新しいHKT48の形ができればいいんですよ。それこそ11周年を迎えたときに、そういうHKT48を見ることができたら、きっと私は『あぁ、1年前に卒業してよかった』って思えるんじゃないかなと思います」(後編へ続く)
【後編はこちら】村重杏奈が語る卒業とお調子者の私「HKT48にいることで自分のことが好きになれた」