株価が下落基調に……

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原油高を背景にしたインフレ懸念や米国の長期金利が上昇基調を強めていることで、米国株が下落。これを受けて、東京株式市場の日経平均株価は前週(2021年10月4日週)、3週続落した。恒大集団をきっかけに火が付いた中国の不動産業の債務問題への警戒感もくすぶっている。株価にとって、いい材料が見つからない。

また米国の長期金利の上昇圧力は、ドルが上昇しやすい地合いでもある。どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

東京株式市場 米国の経済指標に注意!

日経平均株価予想レンジ:2万7000円〜2万9000円

2021年10月8日(金) 終値 2万8048円94銭

今週の東京株式市場の日経平均株価は、引き続き上値の重い展開か。

前週の日経平均株価は、3週連続で続落となった。原油高によるインフレ懸念や、米国の長期金利上昇により、米国株が下落したこともあり、日経平均株価は一時2万7500円を割り込んだ。

岸田文雄首相が金融所得課税の見直しに言及したことも嫌気材料となった、との声も聞かれた。ただ、米連邦債務の上限問題が進捗したことで、週末には日経平均は2万8000円台を回復した。

今週の日経平均株価は、引き続き上値の重い展開となりそうだ。原油高を背景にしたインフレ懸念がくすぶっていることに加え、米長期金利が上昇基調を強めていることが、米国株の懸念材料となっている。また、中国の不動産業の債務問題も足を引っ張っている。米長期金利が上昇しやすい地合いだけに、米国の経済指標の動向には注意が必要だ。

東京外国為替市場 下落基調の米国株に注意!

ドル・円予想レンジ:1ドル=111円00銭〜113円00銭

2021年10月8日(金)終値 112円22銭

今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルが上昇基調を継続か。

前週のドル円相場は、ドルが上昇した。週初は米連邦債務の問題を懸念し、リスク回避のドル売り・円買いが優勢となり、1ドル=111円を割り込む局面もあった。しかし、この問題が12月上旬まで回避する方針が確認されたことで、米長期金利の上昇を背景にドル買い・円売りが優勢となり、ドルは1ドル=112円台に上昇した。

今週のドル円相場は、ドルの上昇基調が続きそうだ。米連邦債務の問題が回避されたことに加え、原油高などを背景にインフレ懸念が高まっており、米長期金利に上昇圧力がかかっていることで、ドルは上昇しやすい地合いにある。

ただ、インフレ懸念が強まり、米国株が下落基調を辿るようだと、リスク回避のドル売りにつながる可能性があるので、注意が必要だ。

経済指標は、国内では11日に9月の工作機械受注、13日に8月の機械受注、14日に8月の鉱工業生産確報値などが予定されている。

海外では、12日にG20(20か国・地域)財務大臣・中央銀行総裁会合(13日まで)、IMF(国際通貨基金)の世界経済見通し、13日に中国の9月の貿易収支、米国の9月消費者物価指数、米FOMC(連邦公開市場委員会)議事録(9月21〜22日開催分)、14日に中国の9月の生産者物価指数と消費者物価指数、15日に米国の9月の小売売上高などが予定されている。

(鷲尾香一)