感染対策講じ企画展(栃木県立美術館)
宇都宮市にある県立美術館では、感染防止対策を徹底したうえで、写真や写真のようにみえる版画の技法を使った作品を集めた企画展が開かれています。
インク缶のラベルや金属の質感が写真のように見える作品。これはリトグラフという版画の技法で作られています。
この企画展では、こうした版画作品や、写真のように見える絵などおよそ90点が展示されています。
版画には、写真の原理を利用して印刷用の版を作る「写真製版」という技法があり、1970年代には油彩画より「かっこいい」と評価されました。
しかしその後、より現代的で高度な写真の技術を使った作家の登場により表舞台から淘汰されていきました。
ところが、カメラやプリンターの技術の向上やデジタル化の到来で高解像度の画像が世の中に多くなると再び、ボケたりブレたりして不鮮明な画像が持つ魅力に注目が集まるようになったといいます。
美術館の担当者は「デジタル時代の中で、不鮮明な画像の美的価値を感じてもらいたい。静かな美術館で時間を過ごして欲しい」と話していました。
この企画展は9月5日まで開かれています。