国の天然記念物で絶滅危惧種のニホンライチョウの親子が3日、保護されていた長野県から那須町の那須どうぶつ王国にヘリコプターで移送されました。

繁殖させたあと一部を山に戻して群れの復活を目指します。

那須どうぶつ王国では環境省と協力してニホンライチョウの野生の個体を安全な環境で繁殖させて再び野生に戻すためのプロジェクトを進めています。

その計画で長野県の駒ヶ岳からメス1羽と今年7月にふ化したヒナ6羽の家族を初めて受け入れることになりました。

環境省によりますと中央アルプスでは1969年を最後にライチョウの目撃がありませんでしたが、2018年に1羽の飛来が確認されました。

そこでこの場所での繁殖につなげるため北アルプスの乗鞍岳に生息していた19羽を去年の夏に移送しおよそ50年ぶりに越冬とふ化に成功しています。

那須どうぶつ王国に運ばれてきた一家は保護事業のために生息地の環境を再現した「野生復帰順化施設」で飼育されます。

ライチョウは誕生した次の年から繁殖できるため同じ事業で4羽が移送された長野県の動物園と協力して繁殖させ早ければ来年夏ごろ山に戻す方針です。