意外と短いって知ってた?納豆の賞味期限と保存方法

まずは納豆の性質を知ろう

納豆とは、大豆を納豆菌で発酵させる食品。独特の臭いとねばねばと糸を引くのが大きな特徴です。栄養価の高さから、「納豆どきの医者知らず」なんていう言葉があるほど。

この言葉には、昔は秋から冬にかけて納豆を食べる習慣があり、その時期になると毎日のように納豆が食卓に並ぶため、体力が充実し、病気に対する抵抗力も強くなるので医者にかかる人が少ないという意味が込められています。

「発酵」と「腐敗」は違う?

納豆の賞味期限と聞いてまず疑問に思うのは、「そもそも納豆って腐るの?」ということ。誰に教えられた訳でもなく、納豆はわざと腐らせてできている食品として認識している方も多いのではありませんか?しかし先ほども記載した通り、納豆は腐らせている食品というよりは、「発酵」させている食品です。

「腐敗」と「発酵」の違いとはどういったものなのでしょうか。実は科学的なメカニズムは同じとされ、私たち人間にとって有益か否かという点での違いなのです。人間に害を与える雑菌が増えたものを腐敗、有益なものを発酵と言います。そのため、発酵食品としての納豆が時間が経つにつれて、腐敗していくことはあり得るということになります。

つぎに、冷蔵した場合と常温で保存した場合の、納豆の賞味期限についてご紹介していきます。

常温で保存する場合の賞味期限

納豆は本来、要冷蔵保管を推奨しているため、常温で保存できる期間は数日間程度とされています。常温保存をすると基本的に、記載されている賞味期限より保存日数は少なくなることに注意してください。気温が10℃以下になる季節に限り、直射日光の当たらない暗所での常温保存は可能と言えます。

冷蔵庫で保存する場合の賞味期限

納豆の賞味期限は、冷蔵庫保管で1週間程度。納豆は発酵食品で、生産後も納豆菌が生きていることから、生鮮食品でもあります。10℃を超えた状態で保存すると納豆菌が活動をはじめ、発酵がさらに進み、品質劣化へとつながりますよ。

実は冷凍もできる!冷凍庫での保存期間について

納豆を冷凍するの?と驚く方も多いはず。実は納豆は冷凍保存できるのです。これはどうしても賞味期限までに食べられそうにないときや、まとめ買いした際にありがたいですよね。

冷凍の場合、保存期間は一ヶ月程度が目安。納豆菌は冷凍下でも死滅することはなく休眠状態になり、解凍すればまた納豆菌が発酵をはじめると言われています。

冷凍保存する際は買ってきたパックのまま保存ができますよ。しかし、冷凍焼けなどによる乾燥やほかの食品から臭いが移る可能性があります。パックから出して保存容器に入れたり、パックのままラップに包み、さらに密閉袋に入れて冷凍したりするのがおすすめです。

冷凍納豆の解凍方法

納豆を解凍する際は、 食べる前の日くらいから冷蔵庫に移し、低温での自然解凍がおすすめです。解凍のために電子レンジを使ったり、常温に置くと品質がより悪くなるとされていますので注意してください。

しかし冷凍できるとはいえ、納豆本来の風味や食感は保存期間が長引くほど落ちてしまいます。なるべく早く食べきるようにしましょう。

賞味期限が切れても食べて大丈夫?

一般的に、賞味期限が切れた納豆を食べたからと言って、すぐに何かしらの体調不良をきたすわけではありません。賞味期限はあくまでも「おいしく食べられる」期間です。しかし、納豆本来の風味は損なわれてしまったり、臭いも強くなってきたりするため基本的にはおすすめできません。食べる場合は、あくまで自己責任での判断になります。

おいしく納豆を食べるためには、なるべく賞味期限以内に食べ切りましょう。

食べられない納豆の見分け方

気にしていたつもりでも、切れてしまった納豆の賞味期限。「まだ食べられそうだけど…」と思っても、本当は腐っているかもしれません。パックを開いて次のように変化していた場合は食べるのはやめておきましょう。

臭い

明らかに臭いが強くなっている場合は注意が必要。腐り始めている証拠です。時間の経った納豆はツンとしたニオイが強くなり、そのニオイはアンモニア臭に似ています。とても食べられるようなものではありません。

水っぽい

混ぜたときに、水っぽく糸が引かない場合も要注意です。納豆は本来、納豆菌のはたらきでねばねばしているのが正常。水っぽいということは、納豆菌のはたらきが失われていたり、雑菌が繁殖していたりするおそれがあります。その場合は食べないようにしましょう。

納豆に白いふわふわしたものが!これはなに?

納豆のパックを開けると、白いふわふわしたものがついている!もしかしてカビ?と驚いた経験はありませんか? 白いふわふわの正体はカビではなく、納豆菌の菌層で「被り」と呼ばれるもの。身体に害を与えるものではないので、安心して食べられますよ。

白いつぶつぶができることも

納豆を長期間放置していると、表面に白いつぶつぶがある!なんて経験をした方もいるのでは? 実はあの白いつぶつぶは、「チロシン」というアミノ酸が結晶化したもの。こちらも身体に害はありません。しかし、チロシンができた場合は納豆本来の風味が失われてしまいます。

納豆も立派な生鮮食品!賞味期限も気にかけよう

納豆の賞味期限や保存の仕方、食べられない納豆の見分け方についてご紹介しました。参考になりましたでしょうか。



案外知らないことも多く、驚かされるような情報もありましたよね。なぜか日持ちがするというイメージのある納豆も、実はデリケートな生鮮食品。納豆の賞味期限は1週間程度であるということを念頭に置き、適切な方法で保存するように心がけましょう。そして、賞味期限以内においしく食べれるようにしたいですね!