居酒屋客に「感染症対策料」を請求 モンテローザが試験導入も...わずか12日で中止に
大手居酒屋チェーンの店に入ったら、「感染症対策料」を取られた――こんな報告がツイッター上で相次ぎ、戸惑いの声も漏れた。
これに対し、運営会社のモンテローザは、一部店舗で試験的に導入していたとしたうえで、その徴収を中止にしたことを取材に明らかにした。
店の入り口には貼り紙もあったが、店員の説明などはなかったと不満も
居酒屋「目利きの銀次」で食事や飲み放題メニューを楽しんだ後、ふと伝票を見ると、「感染症対策料」が目に飛び込んできた。
「お通」代438円のチャージに加え、1人30円徴収となっている。あるツイッターユーザーは2021年2月14日、伝票の写真を投稿して、店員の説明やメニューなどにもなかったとして、このように不満を露わにした。
感染症対策料を取られたとの報告は、11日ごろからツイッターで相次ぎ、その証拠として、レシートなどの写真がアップされている。
その一方で、店舗の入り口には、「感染症対策特別料金について」とした貼り紙が掲げられていたとの写真投稿もあった。それを見ると、衛生消耗品購入などのため、「おひとり様30円(税込)徴収させていただきます」とあった。ただし、20歳未満、サービスタイムメニュー、食事のみの客は対象外だとしていた。感染症対策料は、目利きの銀次のほか、「魚萬」でも導入されていたようだ。
とはいえ、徴収には疑問や批判も多い。「なにを根拠に30円という値段設定なのか」「事前の周知徹底は必須だ」「でもこれ感染者出たらどうするのか」などと書き込まれていた。
一方で、「そこまで目くじら立てる必要あるか?」「実際金かかってるし良いでしょ」「明記してるだけ良心的」などと店側を擁護する声も出ていた。
「衛生消耗品・清掃に係る人件費等の一部についてご負担をお願い」
居酒屋は、新型コロナウイルスの感染拡大で客足が遠のいたほか、政府の緊急事態宣言で、時短営業が求められ、経営が苦しくなっているともされる。
感染症対策料をわざわざ徴収することにしたのは、こうした懐事情もあったのだろうか。
目利きの銀次などを運営するモンテローザでは2月19日、J-CASTニュースの取材に対し、総務企画課がこう説明した。
「本件につきましては、21年2月7日の緊急事態宣言発出とほぼ時期を同じくして、弊社店舗の一部の業態で試験的に実施致しました。コロナ対策のアルコール製剤等の衛生消耗品・清掃に係る人件費等の一部についてご負担をお願いしたものです」
しかし、今後については、次のようにコメントした。
「お客様からも一定のご理解はいただきましたが、その後弊社内で総合的に検討の結果、本日(2月19日)付で『感染対策料』徴収の中止を決定しました。従いまして、詳細にわたるコメントは控えさせていいただきます」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)