西武・増田達至【写真:荒川祐史】

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工藤公康、清原和博、涌井秀章…主力選手をFAで失ってきた過去

 西武は4日、増田達至投手が国内FA権を行使した上で4年契約を結び残留することを表明した。今季最多セーブのタイトルを獲得した守護神の引き留めに成功し、さらに熊代聖人外野手も1日にFA権を行使しての残留が決定。近年続いてきたFA流出を、5年でストップさせた。

 西武は過去、数多の主力選手をFA移籍によって失ってきた。1994年オフには工藤公康がダイエー(現ソフトバンク)へ。1996年オフには清原和博、2005年オフには豊田清がそれぞれ巨人に。2007年には和田一浩が中日に移った。

 ここ10年を見ても、2013年オフには涌井秀章がロッテに移籍。2014年オフはなかったものの、2015年以降は毎年流出する事態に。2018年オフには浅村栄斗、炭谷銀仁朗と攻守の要を失い、2019年オフには秋山翔吾がメジャーに挑戦した。FAで国内他球団やメジャーへ移籍した選手は、12球団最多の通算19人にのぼる。

 今オフも守護神の流出危機だったが、痛手は免れた。会見に応じた渡辺久信GMは「ここ何日間か、毎日緊張していた。ホッとした」と強調。歯止めをかけたことに「選手ファーストでしっかりやってきた。(条件面などで)球団が頑張ってくれている」と語った。

 増田と同じく今季に国内FA権を獲得した金子とは、昨オフの段階で4年契約を結ぶなど先を見据えた策も奏功。“流出の西武”からの脱却は、ソフトバンクからのV奪還に向けて追い風になるのは間違いない。(Full-Count編集部)