「妻の手製ハンバーグは不倫の証拠でした」夫に密告した謎の人物
 共に暮らすパートナーが、一生懸命にあなたの好物を手作りしてくれたらとても嬉しいですよね。

 ですが、もしそれがあなたを喜ばせる事が目的では無かったら…。

 今回は、そんなエピソードをご紹介しましょう。

◆めずらしく洋食を作った妻

 渋谷浩之さん(仮名・39歳・会社員)は、妻のM美さん(32歳・パート)と結婚して3年目になります。

「恋愛期間が3年間あってからの結婚だったので、もうすっかり落ち着いた夫婦というか…もうそんなに会話もないですが、喧嘩にもなりませんね」

 そんな平和に暮らしていたある日、妻にある変化が現れました。

「急に僕の大好きなハンバーグを作ってくれたんですよ。M美は基本和食党で、あまり脂っこい料理が好きではなく、めったに洋食なんて作ってくれないんです」

 喜んでハンバーグを頬張(ほおば)ってみると…。

◆一緒においしい料理作りに成功

「ちょっとパサパサしていて、味付けもぼやけているというか、要するにイマイチだったんですよ」

 ふと妻を見ると『ごめんね、ハンバーグって途中で味見できないし難しいね』と申し訳なさそうにしていたそう。

「ですが作ってくれたことが嬉しかったので、食事の後、2人でネット上のハンバーグレシピを見まくって、あーだこうだ言い合いながら研究したんですよ」

“ハンバーグのタネに、マヨネーズを入れるとジューシーになる”“しっかりとこねる事が大事。つなぎのパン粉が少ないと焼いている時に肉汁が出てしまう”“塩味を強めにつける”など改善点を見つけました。

「すると、翌日の夕食にはジューシーなハンバーグが食卓に上がったんですよ。しかもチーズまでのってコッテリしてて本当に美味しかったです」

◆次々と自分の好物を作ってくれた妻

 ハンバーグが上手くできたので、M美さんも上機嫌。浩之さんとの会話も弾んだそう。

「すると、翌日の夕食にはナポリタンを作ってくれたんですよ。またまた僕の大好物なのでホント嬉しくなっちゃって」

 ですが、またお味の方はイマイチだったそうで…。

「ナポリタンは、昔バイトしていた喫茶店で作り方を教わった事があったので、僕の好みもあわせてM美にアドバイスをしました」

“ケチャップだけじゃなく、ウスターソースやコンソメも入れジャンクっぽい味にする”“ベーコンより、チョリソーを入れるとパンチがでる”など、浩之さんの意見を取り入れて、またM美さんは美味しいナポリタンが作れるようになりました。

「僕の好物ばかり作ってくれて優しいな、と感動していたのですが…」

 さて、何が起こったのでしょう?

◆道で女性に妻の不倫を密告された

「ある朝、いつも通りに家を出て最寄駅に向かって歩いていたら…見知らぬ女性に話しかけられたんですよ『お宅の奥さん、大学生と不倫してますよ』って」

 あまりの事にビックリして固まってしまった浩之さん。その女性は「信じないのなら、奥さんのLINEをチェックしてみて下さい。iPhoneのパスコードは○○○○なので」と言い去っていったそう。

「何が起こったのかよく分からず混乱しましたが、まぁ、M美のスマホにさっきのパスコードを入力してみて解除できなかったら、単なるいたずらだって事になるので、試してみる事にしたんです」

 その晩、妻が寝ているスキにパスコードを入れてみると。

「それが、すんなり解除されてしまって。緊張しながらLINEを開くと、まさにあの女性の言う通り、不倫相手の大学生男子との甘いやり取りや写真など…見たくないのに、つい全部見てしまいました」

 そして一番浩之さんを驚かせたのは…。

◆不倫を否定せず落ち着いている妻

「実はあのハンバーグやナポリタン、僕のためじゃなく、不倫相手にリクエストされて作っていたんですよ。僕は単なる練習台だったんです。なのにあんなに喜んで…本当にバカですよね。恥ずかしいです」

 翌朝、妻にLINEを見て不倫を知ってしまったと話す浩之さん。

「M美は全くあわてず『そう…』と静かに言っただけで、言い訳も謝りもしなかったんですよ。なんか全てあきらめたような顔をして」

 いたたまれなくなった浩之さんは、家を出たそう。

「とりあえず頭を冷やそうと、3日間程家に帰らずホテル暮らしをしました。でも、やっぱり気持ちは落ち着かず、M美と話し合うのも怖くて、友人に泣きついてしばらく泊めてもらう事にしました」

 それから、妻がパートに行っている時間を見計らって、荷物を取りにいく以外は帰っていないそう。

「しばらく現実逃避して、気持ちが落ち着いたらM美に連絡したいと思っています。え、M美からですか?全く連絡ないですね」

「もしかしたらあの女性は、パート先の人で…バレバレの不倫をしていたM美にムカついて僕のところに来たのかもしれませんね」とため息をつく浩之さんでした。

<文&イラスト/鈴木詩子>

【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。