練習で笑顔を見せる久保建英、冨安健洋、三好康児(提供:日本サッカー協会)

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日本代表は5日にオランダ・ユトレヒト入りし、今年に入って初めてのトレーニングを新型コロナウイルスの影響で数多くの制限がある中で積んでいる。メディアに対する制限も当然ながら多く、会見はすべてオンラインで行われている。

去年までは練習後、各選手は試合と試合の間に1回だけミックスゾーンを通るという形で行われていた。その形がもし今回適用されていたとすれば、5日の集合から8日のカメルーン戦前日までに各選手は1回、10日から12日までに1回、報道陣の前に現れることになる。

だが今回は練習日、毎日選手4人がオンライン記者会見に登場し、1人15分対応するという形で取材が行われている。1日4人ということになると、この合宿期間中に2回会見に臨む選手と1回という選手が出てくる。今回、試合後を除いて2回の会見が設定されているのは、柴崎岳、南野拓実、鎌田大地、遠藤航、吉田麻也の5人となっている。

ここでポイントとなるのは久保建英の会見が1回しか設定されていないということだろう。相変わらず久保への注目度は高く、テレビ放送でも久保は特別視されていたし、久保を主語にしたタイトルの記事も数多く出ていた。

だが日本サッカー協会はそんな久保をカメルーン戦の試合後や2回目のオンライン会見を設定することはなかった。これは非常に正しい判断だと言えるだろう。

カメルーン戦では試合終了間際にFKから惜しいシュートを放った(余談だが、日本サッカー協会が配布した試合後の記録では、両チームともシュート数ゼロになっている)。だが、その場面以外ではいくつかの課題もあった。

久保はとても期待していい選手だが、現時点では期待度が先走っていると言える。日本サッカー協会は当然、久保が耳目を集めていることを知っているはず。それでも、そういうピッチ外の声に配慮しなかったのは評価されるべきだろう。その姿勢こそ、日本サッカーを発展させるのではないだろうか。


【取材・文:森雅史/日本蹴球合同会社】