子どもがゲームやインターネットを使用する時間を制限する、香川県の「ネット・ゲーム依存症対策条例」。2020年4月1日の施行から半年、ネット上ではすっかり条例のイメージが定着した印象だ。

しかし、そんな香川と徳島の県境付近には、ゲームを連想させる、こんな看板が存在している。


昔のゲームを思い出す(画像はゆーき@yuuki1009さん提供)

「ようこそ香川県へ」と書かれた青い看板。県境付近ではよく見る文言だが、注目すべきは下のイラストだ。小豆島含む香川県が、ドット絵のようなタッチで描かれている。

看板の写真は、ツイッターユーザーのゆーき(@yuuki1009)さんが、

「香川県境の『ようこそ』標識。
懐かしのゲームソフトで見かけるマッピングみたいで、なんだか冒険心がくすぐられるのは自分だけ...?(笑)」

とコメントを付けて、10月4日に投稿。他のユーザーからは「やべえ、かっこいい!」「同感です」といった声が寄せられている。

筆者も20年ほど前に遊んでいたゲーム機の画面を思い出した。たしかに懐かしくもあり、ワクワクするデザインだが――

ここは日本で唯一、「ゲーム規制条例」が施行されている香川県。そのことを思い出したユーザーも少なくなく、

「さすが、ゲーム規制条例で名高い、香川県ですぜ」
「『ゲーム禁止条例』の香川県が『ゲームマッピング』でお出迎えかい」
「滞在は1時間だけですねw」

といった書き込みが見られる。

「ゲームを意識したものではない」

なぜドットの絵のようなデザインなのか。Jタウンネットは2020年10月8日、香川県交流推進部交流推進課の担当者を取材した。

担当者によれば、看板は1988年度に観光振興課が設置。当時は戸川ダム近く(香川県三豊市財田町)の国道32号線沿いだったが、2000年度には、現在の位置である国道32号を徳島方面にいった場所に移設した。

マップのデザインを考えたのは、看板設置工事を発注した、当時の観光振興課の職員。担当者はドット絵のようになっている理由について、

「看板を見ていただく方に対し、見やすく分かりやすいものにしたかったからです」

と説明している。

では、ツイッターでゲーム規制条例に関するコメントが複数寄せられていることに関しては、どう思っているのか。担当者に聞いてみたが...

「デザインはゲームを意識したものではないため、特に思うことはございません」

とのことだ。

ちなみに、香川県の公式サイトを見ると、ページの左上に表示されている「香川県」のロゴもドット絵のようになっている。


公式サイトのロゴも...(香川県公式サイトより)

道路課の担当者によれば、これは15〜20年ほど前(詳細時期不明)に、アートディレクターの浅葉克己さんがデザインしたオリジナルロゴマーク。デザインには、

「強固な骨格を持つゴシック書体を含めてデジタル・イメージが付与されており、香川県の『美のチカラ』が発揮される近未来の姿を示している」

といった意図が含まれているという。