好きなアーティストのコンサートや舞台のチケットが当たりますように――

そんな願いを叶えてくれるお守りが、東京・日本橋の福徳神社で販売されているとツイッターで話題になっている。


福徳神社の「お守り」に注目(画像は神奈木智@skannagiさん提供)

それは、遠征の道中を守る「旅守り」と、鑑賞券当選を祈る「富籤(とみくじ)守り」だ。

お守りを紹介する掲示物には、

「あなたは何度『推し』に逢えるだろうか」

と記載されている。まるで恋愛映画のキャッチコピーだ。

掲示物の下部には、「推しとはその人が『応援している人(芸能人やアスリート)』『お気に入りのキャラクター』等を指す現代語の一つです」とも書かれている。

この掲示物はツイッターユーザーの神奈木智(@skannagi)さんが、

「妹から送られてきた画像。日本橋の福徳神社には、こんな御守りがあるそうな。煽り文句がすごい(笑)」

とコメントをつけて、2020年10月3日に投稿。5日16時時点で1万件以上リツイートされるほど話題になっている。


鑑賞券当選祈願も(画像は神奈木智@skannagiさん提供)

神奈木智さんの投稿によれば、福徳神社では「鑑賞券当選祈願」も行っている。投稿に対し、ほかのユーザーからは、

「ずるい?と思いつつも欲しい?!」
「あ〜〜〜っ!!ライバルが増えるから近しい人にしか教えなかった、激熱チケット当選神社がバズっているーーーー!!」
「こういう時代に必要とされる利益を足して行けるところが神道のすごいところよなぁ」
「お参りに行かなくちゃ!!!wwww」

といった声が寄せられている。

実際にジャニーズも訪れていた

しかし、福徳神社ではなぜ「鑑賞券の当選」のお守りや祈願を実施しているのだろうか。

Jタウンネットは10月5日、福徳神社の神主に詳しい話を聞いた。

神主によれば、かつて福徳神社では、宝くじの前身・富籤を境内で興行していたことから、宝くじの高額当選を祈願する参拝客が多かった。

また、福徳神社は五街道の起点である日本橋にある。これらの理由から、金運・宝くじ等の当選を祈願する「富籤守り」と、旅の安全を祈る「旅守り」を2014年から販売し始めたという。

もともとオタ活用ではなかった2つのお守りに「あなたは何度『推し』に逢えるだろうか」というキャッチコピーをつけたのは20年7月。鑑賞券当選祈願は、それより半年ほど前の2月に始めた。

なぜ急に鑑賞券の当選にフォーカスを当て始めたのか――神主はその理由を、次のように話す。

「福徳神社には、宝くじを入れると当選する『宝袋』という縁起物の袋があります。その中に、ある参拝客がミュージシャンの抽選はがきを入れ、『当たりました』という話を聞き、そういう使い方もあるんだなと思っていました。
すると、宝くじの当選とかけたのか、絵馬に『ライブや公演に行けますように』と書かれることが、だんだん多くなりました。ある参拝客からは『チケットが当選しますようにとお参りできますか』と相談され、できますよと出しました」


宝袋(画像は福徳神社の公式サイトより)

また、福徳神社にはアイドルグループ・SixTONESの京本大我さんが、雑誌の撮影で訪れたことも。その影響で、神社には京本さんのファンも訪れているようだ。

神主によると、それまでの参拝客は宝くじ当選を祈願する人がメインだったが、19年ごろから鑑賞券当選を祈願する人が徐々に増え始めた。それぞれのファンのSNSやブログなどで、神社の存在が広まっていると考えられる。

神主はお守りや当選祈願が話題になっていることについて、

「注目していただくのは大変ありがたいと思います。いろいろなご意見の方もいらっしゃると思いますが、こういうお守りがあると気づいて『落ち着いたらライブに行きたいから寄ろう』というコメントも見られます。
やっぱり多くの方がファンとして行かれたいんだなと思い、1日でも早くこの状況が収まって、みんなが安心して『推し』に逢える状況になりますことを、一緒にお祈りさせていただいています。参拝の際はくれぐれも感染に注意してください」

と話している。