大正から令和まで 庶民に愛された広島の大衆食堂、101年の歴史に幕
[みみよりライブ5up - 広島ホームテレビ] 2020年9月23日放送分で、福山市で101年続く大衆食堂「稲田屋」が9月23日に閉店したことを取り上げていました。
昭和の始め頃に今の場所に店を移し、福山市民に親しまれてきたお店です。
店内の様子(写真は稲田屋のウェブサイトより)
大正から令和まで、親しまれた庶民の味
店を支えてきた5代目の稲田正憲さんが先代から店を引き継いだのは、29年前。
毎朝5時近くから仕込み作業をしながら研究を続け、ようやく納得のいく味を出せるようになりました。しかし、稲田さんは長年の立ち仕事で身体を痛めてしまったといいます。
また、食生活の多様化などで売上が年々減少。そこに新型コロナが追い打ちをかけ、閉店することを決めたそうです。
そして迎えた最後の営業の日、店の前にはオープン前にもかかわらず100人以上の長蛇の列ができていました。
お目当ては地元の人が慣れ親しんだ伝統の味です。
稲田屋の関東煮(写真は同店ウェブサイトより)
豚の小腸や牛の肺などを、秘伝のタレで甘辛く味付けした「関東煮」。そして牛肉や豚肉とごぼうや玉ねぎなどを柔らかく煮込んだ「肉どんぶり」。
この日は開店してから客足が途絶えることはなく、店内には最後の味を惜しむように食べる人たちの姿がありました。
訪れた客は「これがもう食べられないということが頭にあるのでしっかり味わって食べて帰ろうと思います」と話していました。
いつもより食材を多く用意していましたが、約2時間半で閉店。101年続いた歴史に幕が下ろされました。
福山市民に愛され続けた稲田屋の味。店主によると、店を引き継ぎたいという人が何人かいて、もし決まれば店主自ら後継者として指導するということです。
長年続くお店がコロナの影響で閉店するニュースを見ると本当に寂しいですね。
(ライター:momiji)