[みみよりライブ5up - 広島ホームテレビ] 2020年9月7日放送の「ひろしま繁盛記」のコーナーで、真鍮箔の金紙を作る老舗企業を取り上げていました。

広島市西区三篠にある歴清社。創業115年のこの会社は真鍮製の箔を使って変色しにくい金紙を作っています。

歴清社は、金の輝きに劣らない真鍮製の金紙を日本で初めて製品化した企業なんです。

その技術は高く評価され、神社や仏閣、高級ホテルなど様々な場所で利用されています。

評判は海外にも広まり、海外セレブも愛用しているそうです。


真鍮箔紙が使われている飲食店(歴清社ウェブサイトより)

一枚一枚手作業で箔押し

工場では女性の職人が「箔押し」と呼ばれる作業をしていました。

箔を一枚一枚、すべて手作業で貼り合わせています。この作業は貼り直しができないそうです。

元々は創業者の奥様が箔押しを担当していたそうで、現在でも女性のみの仕事なのだそうです。

洗練された箔押しの技術は、ジャケットやベストなどの衣服にも使われています。

営業部の藤井育代さんによりますと、空気と水以外のものには箔押しができるとのこと。

広島駅構内の待合室には、県の象徴であるもみじをイメージした銀箔の作品が飾られています。もみじの色合いを出すために銀箔をいぶして色を出しているそうです。

そして今人気なのは食用の「金のふりかけ」。


金のふりかけ(歴清社ウェブサイトより)

無味無臭なのでドリンクやデザートなどに振りかけて使うことができ、お土産や贈り物としても喜ばれています。

原爆投下にも耐えた煙突

会社の外には空に向かってまっすぐに伸びた煙突が見えます。


歴清社の煙突(歴清社ウェブサイトより)

戦時中、歴清社は軍服を包む包装紙を製造していました。それを乾燥させる目的でこの煙突が建てられたそうです。

原爆の投下にも生き残り、爆風に耐えた煙突。

このぽつんと立っている煙突を見て、相談役の久永洪さんは「やるべきことをしっかりやれよ」と言っている気がしたといいます。

その後歴清社は戦後の不況を乗り越え、金紙の製造を再開。

初代が技術を生み出し、継承者たちによって世界に通じるものづくり企業へと成長を遂げていきました。

久永さんは「金の輝きというのは人に癒しと希望を与える。それは愛であり、平和であり、広島の平和に通じる」と話していました。

真鍮箔は初めて見ましたが、金箔と変わらない輝きで驚きました。服や家電にも箔押しできる技術は凄いですね。

(ライター:momiji)