自宅待機体制によって外出が制限されるなか、アルコール飲料の宅配需要が前例がないレベルで急増している。リテール業界がこの危機を乗り切るために苦戦するなか、業績を伸ばしているスタートアップはいくつかあるが、そのうちのひとつがD2Cスタイルのワイン・サブスクリプションだ。

宅配のD2Cワインサービス、ウィンク(Winc)が業績を伸ばしている。3月15日から3月28日のあいだに新規メンバー登録は684%増加し、2月と比べて3月の収益は80%増加と、かなり大きな成長を見せた。そしていま、パンデミックが終わったあとも顧客にサービスを継続利用してもらうためには何ができるのか、ウィンクは考えている。

同社の共同ファウンダー兼プレジデントを務めるブライアン・スミス氏は、米DIGIDAYの兄弟サイト、モダン・リテール(Modern Retail)の取材を受け、デジタルでのワイン購入を長期的な習慣にしてもらうためのウィンクの戦略について語った。以下、読みやすさのために若干の編集を加えている。

ーー急激な需要の増加にどうやって対応しているのか?

我々の現在のモデルが複数のチャンネルを抱えていることは幸運だ。ここ数年のあいだに卸売流通を加えた。「ブドウからワイングラスまで」のオペレーションを抱えることは、需要に対する十分な準備が整っている必要がある。その点では、現状の戦略において、この需要が発生している間はリソースを内部へと再配分することに集中している。そうするなかでも、マーケティングではなくオペレーションの視点で調整を行っている。倉庫でのシフトを増やす、注文の処理配送が安全に、しかし迅速に行われていることを確実にする、といった具合だ。

ーー需要増を受けて、ウィンクは顧客を維持するためにどのような計画を持っているのか?

3月に4万2000人の新規メンバーを獲得し、2月以降、注文は111%の増加があったため、それに対する順応も素早くする必要があった。既存の顧客、そして急速に成長する顧客コミュニティの両方とエンゲージメントを持つことに積極的に取り組んでいる。これはもちろん、どのような企業も行っていることだ。取り組みの例としては、今後のプロダクトローンチのプロモーション、そしてデジタルやバーチャルのアクティベーションがある。この日曜日には、アティカス(Atticus)と共同で「ロスト・ポエト(Lost Poet)」ワイン・リーディングのイベントを主催する(※原文記事は4月6日公開)。また現在進行形でバーチャルなワイン・テイスティングも行っている。その一例が最近行われたウィンクのワインメーカーであるロバート・ダーティ氏とのテイスティングだ。これはレストラン従業員のコミュニティ基金(Restaurant Workers' Community Foundation)へのベネフィットとして行われた。

ーー需要の急増に対応するために、それまでに計画していた製造スケジュールは変更されたか?

我々は新しいワインに長らく取り組んで来た。そのため既存の顧客ベースにちゃんと対応すると同時に、(長らく取り組んできた新ワインという機会)を失敗しないように注意している。これだけ多くの顧客を獲得していながら、全員が最後には辞めてしまう、ということがあってはならない。これは顧客維持を生む助けとなるだろう。創業時から、素晴らしいブランドを作り、それを継続させることにフォーカスが置かれてきた。そのため、その承認を(顧客から)得ることも重要だ。我々のプロダクトのひとつサマー・ウォーター・ローズ(Summer Water Rose)は、ワイン・エンスージアスト(Wine Enthusiast)によって92ポイントの評価を得ている。

ーーほかのD2Cカテゴリーと比べると、アルコール飲料のサブスクリプションは人気になるまでに時間がかかった。いまの状況はそれを変えるか?

いまは状況の変化に大規模な対応を行っており、D2Cというレベルでは業績も良いが、ワイン市場の売り上げ全体ではこのカテゴリーはまだほんのわずかな一部である。現在の状況がトレンドを加速させ、消費者行動を変化させることは間違いない。このような変化が起きることは長いあいだ見込んでいた。しかし、いまだに急激な変化が起きる環境にあるため、論理的であるよう勤めなくてはならないし、不確実な状況において健全な判断を行う必要がある。チームと協力して生産を続けることがいまは重要だ。

Gabriela Barkho(原文 / 訳:塚本 紺)