【海外発!Breaking News】新型コロナと闘う―台北編 政府への圧倒的信頼で一致団結する国民 キーマン「鉄の部長」陳時中氏が見せた涙
市内の多くの企業はテレワークや交替制を導入。テレワークで対応できない業務はフロアを分けて働くなど、ソーシャルディスタンスを確保するためにさまざまな工夫が行われている。
また影響の大きい飲食業界では、宅配サービスやテイクアウトに活路を見出す店も少なくない。宅配を始めたところ、以前より売上が増えた店もあるという。いつもは日本人観光客でにぎわう小籠包の名店「鼎泰豊」はテーブルとテーブルの間隔を大きく広げて営業を続けている。そのほかショッピングモールのフードコートではテーブルを透明なボードで仕切り感染防止を図るなど、それぞれが対策を取って未曾有の危機を乗り越えようとしている。
自粛要請を受けてから出歩く人は減っているが、完全に自粛しているわけではない。休日にはデパートへの入場待ちの車が列を作っており、4月2日からの4連休には台湾中部や南部の観光地で行楽客がごった返し、中央感染症指揮センターがソーシャルディスタンスを確保するよう警報を発令する事態となった。混雑する観光地で現地メディアにマイクを向けられた観光客が「台湾は安全だから」と答えたのが印象的だった。その気の緩みは危険だが、この政府への信頼が防疫管理には大切な要素だと思う。信頼がなければ行動につながらない。
1月初旬、初めて中国武漢で多くの肺炎患者が出ているニュースを見た時、ウイルスが台湾に来るのは時間の問題だろうと思った。しかし台湾政府の対応は速かった。1月20日に対策本部となる中央感染症指揮センターが設置され、水際対策を強化。肺炎症状がみられる訪台旅行者を隔離する措置を実施するなどした。
品薄になったマスクへの対応も速かった。連休明けには街からマスクが消え、使い捨てマスクだけでなく布製のものも売り切れ、高値で転売されるようになっていたが、政府はすぐに転売を禁止し国内生産のマスクをすべて買い上げ、その供給の管理を開始した。
とにかくスピーディーという印象だったが、当時はまだ生活の中でその効果を実感するまでには至らなかった。政府がコンビニで販売したマスクには限りがあり一人3枚と制限されていたものの、販売開始とほぼ同時に売り切れてしまう状態だったからだ。
効果が実感できるようになったのは、マスク購入に実名制が導入されてからだ。台湾の対策で特に注目されているのは、このマスク購入の実名制ではないだろうか。始まった時は、そんなことが短期間でできるのかと驚いたものだ。開始当時は7日間に一人2枚。その後はマスクの増産が進み、今では大人は14日間で一人9枚、子供は14日間で一人10枚にまで増えた。しかもアプリでの予約購入もできるようになり、1週間から2週間後にコンビニで受け取れるシステムになっている。
