2019年3月に民事再生法の適用を申請するも、2018年の台風による宿泊キャンセルなどから資金繰りが悪化し再生を断念

 2019年3月27日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請していた、(株)I.Aホテルズ(TDB企業コード:608015641、資本金2000万円、東京都台東区浅草1-27-10、代表田中豊人氏)は、同年4月2日に保全管理命令を受けていたが再生手続き廃止となり、2月4日に破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は田川淳一弁護士(東京都中央区築地1-10-7、功記総合法律事務所、電話03-6226-0632)。

 当社は、2015年(平成27年)5月に設立したホテル運営業者。愛知県豊橋市内の「クインシーズイン豊橋」のほか、静岡県や山梨県などで外国人旅行客向けホテルを運営し、これらのホテルが国内主要空港からのアクセスが良好なことや、高速のインターチェンジからも比較的近いことから売り上げは順調に伸長。2018年4月期には年収入高約13億900万円を計上していた。

 その後も、経費の抑制や接客サービスの充実、設備の充実を図るなどして稼働率アップに取り組んできたが、得意先からの回収遅延や2018年の台風による宿泊キャンセルなどから資金繰りが悪化していた。さらに一部取引先とのトラブルや税金滞納なども発生し、民事再生法の適用を申請していたが、再生は困難であると判断され、今回の措置となった。

 民事再生法の申請時の負債は、債権者約182名に対し約12億2300万円。