逮捕状棄却を受け拘置所を出るチョ国氏=27日、ソウル(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル東部地裁は27日未明、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に近いとされる柳在洙(ユ・ジェス)元釜山市経済副市長に対する監察打ち切り疑惑に絡み、検察が求めていたチョ国(チョ・グク)前法務部長官(54)の逮捕状請求を棄却した。地裁は「容疑は認められる」としながらも、証拠隠滅や逃亡の恐れがないため逮捕の必要は認められないとした。

 

 検察はチョ氏が青瓦台(大統領府)の民情首席秘書官だった2017年、文大統領の盟友である故・盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の在任当時、盧氏の秘書などを務めた柳氏に対する特別監察を行いながら、明確な理由なしに監察を打ち切ったことが職権乱用に当たるとして逮捕状を請求していた。

 監察打ち切り決定を「犯罪」と見なす検察に対し、チョ氏側は監察中止を決めたことは認めながらも、これに関する「法的責任はない」との立場を示してきた。同氏は逮捕状発付を認めるかどうかを決める令状審査に出席するため、26日午前に地裁に出頭した際も「検察の令状申請内容に同意しない」と争う姿勢を表明していた。

 チョ氏は逮捕を免れたものの、地裁が「罪質が良くなく、犯罪行為が認められる」との判断を示したため、今後検察と激しい攻防を繰り広げると予想される。

 検察側は追加捜査を通じ逮捕状を再請求するか、在宅のまま起訴するかを決め、罪を追及するとみられる。