ブランドセーフティな広告は犠牲を伴う。そのひとつが、ウェブページの読み込みが遅くなることだ。

アドテクコンサルティング企業レッドバッド(RedBud)とオンラインパブリッシャー協会(Association of Online Publishers:以下、AOP)のデータによれば、ブランドセーフティを目的としたツールやタグがパブリッシャーのサイトでレイテンシー(遅延)を引き起こし、ページの読み込み時間が伸びた結果、パブリッシャーの売り上げが減少しているという。

ラッパーとタグで遅延

レッドバッドは4月から9月のあいだ、AOP会員が運営する11のウェブサイトを対象に128のライブキャンペーンを分析。AOP会員にはテレグラフ(Telegraph)、ESIメディア(ESI Media)、デニス・パブリッシング(Dennis Publishing)、TIメディア(TI Media)、メールオンライン(MailOnline)などが含まれる。調査の結果、キーワードブロックを目的としたラッパーによって生じる遅延は、多くの場合、2〜4秒であることがわかった。

Googleによれば、読み込み時間が3秒を超えると、53%の人がモバイルページから離れるという。つまり、ページの読み込みが遅れると、広告が読み込まれない場合があるため、パブリッシャーが表示するインプレッションと広告主が読み込まれたと判定するインプレッションの差が大きくなるということだ。調査の結果、広告表示数という単純な数字にセラーとバイヤーの相違が見られる最大の要因は、ブランドセーフティラッパーとキーワードブロックタグであることが判明した。

キーワードブロックタグが存在する場合、セラーとバイヤーの相違の中央値は8.4%。キーワードブロックタグが存在しない場合は3.4%だった。この相違が意味することは、しばしばパブリッシャーはエージェンシーから一部のインプレッションに対する支払いを拒否されるということだ。エージェンシーのデータでは、広告の表示が間に合わず、閲覧されていないことになっているためである。

「相違の程度が見えない」

パブリッシャーが表示したインプレッションと実際に表示されたインプレッションにある程度の違いがあること自体は意外ではない。パブリッシャーはインプレッションがブロックされたかどうかを確認できないためだ。しかし、今回の調査は、キーワードブロックタグが原因で、相違が顕著になっていると指摘している。

匿名希望の雑誌出版社幹部は「問題は、相違の程度が見えないことだ。まるで静かに歩み寄る暗殺者のようだ」と話す。

切れ味の鈍いブランドセーフティツールによって、パブリッシャーの売り上げは打撃を受けている。さらに、リスキーにすら見える過剰なキーワードブロックによって、健全なインベントリー(在庫)の40〜60%が表示を妨害されていると、パブリッシャーは報告している。

ただし、改善に向かってはいる

ただし、ゆっくりではあるものの、業界は改善に向かっているようだ。レッドバッドが米DIGIDAYのために実施した3月の調査では、ウェブサイトの「重さ」の10〜21%がブランドセーフティ、ビューアビリティ(可視性)、ベリフィケーションを目的としたタグによるものだという結果が出ていた。パブリッシャーは以前、こうしたタグが原因で、読み込み時間は最長6秒伸びるとコメントしていた。

Lucinda Southern(原文 / 訳:ガリレオ)