by Aleks Dorohovich

Nintendo SwitchのJoy-Conスティックが勝手に動く」という問題について、「任天堂が無償修理や、既に有償で修理した人への返金を予定している」という情報を入手した、とカナダの技術系ニュースメディアVICEが報じています。

Internal Nintendo Memo Instructs Customer Service to Fix ‘Joy-Con Drift’ for Free - VICE

https://www.vice.com/en_us/article/8xzzva/internal-nintendo-memo-instructs-customer-service-to-fix-joy-con-drift-for-free

Nintendo Switchの専用コントローラーのJoy-Conには、アナログスティックに触れていないのにスティック入力が行われてしまう「Joy-Conドリフト」という不具合があることが取り沙汰さています。ゲーム関連情報を扱うメディアKotakuをはじめとした複数のメディアがこの不具合を取り上げて以来、問題は大きな広がりを見せており、事態は一部のユーザーがNintendo of Americaに対する集団訴訟に踏み切るところにまで発展しました。

「Joy-Conドリフト」の不具合や集団訴訟については、以下の記事に詳しく書かれています。

Nintendo Switchの「Joy-Conスティックが勝手に動く」不具合で任天堂が集団訴訟を起こされる事態に - GIGAZINE



そんな中、VICEが任天堂のアメリカ法人であるNintendo of Americaから「今後、Joy-Conの修理に際しては購入証明書の提出を求めません」と書かれた内部文書を入手したと発表しました。その文書には他にも、「保証期間の確認も不要で、もしお客様から以前のJoy-Con修理費の返金を要求された場合は、履歴を確認の上返金いたします」と書かれていたとのこと。

また、文書には今回の問題について想定される株主からの2つの質問と、それに対する回答も記載されていました。最初の質問は「今後発売されるNintendo Switch Liteでも同様の問題が起こりうるのか?」というもので、回答は「設計通りハードウェアが動作すると期待しています」。2つ目は「集団訴訟への対応はどうなっているか」で、回答は「現時点では申し上げられることはありません」だったとのこと。

VICEがこの文書について任天堂にコメントを求めたところ、文書への直接的な言及はなく、代わりに他の複数のメディアに送られたものと同じ定型文の声明が送られてきたとのこと。声明は「弊社は高品質の製品を生み出すことに大きな誇りを持ち、製品は常に改良を重ねています。しかしながら、Joy-Conコントローラーの中には正しく反応しないものがあるという最近の報道も承知しております。お客様にはNintendo Switchを楽しんで頂きたいと存じますが、その目標が満たされない場合はhttp://support.nintendo.comにアクセスすることをお勧めしております」というもの。

この声明は、「Joy-Conドリフト」について直接的に認めたものではなく、あくまで個別の修理により対応するという姿勢を表しています。任天堂の対応についてVICEは、かつてMicrosoftがXbox 360の高い故障率を公式に認めるのに何年もかかったことを引き合いに出し、「企業としては普通の対応で、特に衝撃的ではない」としています。

そこでVICEは、Joy-Conの不具合に遭遇してしまったというリカルド・コントレラス氏に依頼して、実際に任天堂のカスタマーセンターに連絡してもらいました。コントレラス氏がカスタマーセンターに連絡したところ、「Joy-Conコントローラーのファームウェアをアップデートしてから、スティックの補正をしてみて、問題が解決しなかったら改めて連絡するよう指示された」とのこと。



by Kana Natsuno

コントレラス氏が任天堂の指示どおりにしてもJoy-Conの問題は解決しなかったため、再度連絡したところ、担当者はすぐに料金不要の配送ラベルを手配してくれたとのこと。つまり、配送料や修理費はすべて任天堂持ちで、保証期限の確認もされなかったということです。

VICEは今回入手したという任天堂の内部文書の詳細や入手経路については明かしていませんが、「任天堂の顧客サポートに関する文書管理に精通している情報源だ」としており、情報の精度は高いと述べています。