中国経済、一段の減速も。どの業種が最も厳しい?
「資本財を中心に受注が減少し、輸出にも影響する可能性がある」―。日銀の黒田東彦総裁は23日の会見で、中国経済の行方についてこう懸念を述べた。
成長減速の主因は米国との貿易摩擦だ。米国と中国は7―9月に最大25%の追加関税を相互に掛け合い、中国製品は総額2500億ドル(約27兆円)分が追加関税の対象となった。対象製品の対米輸出は落ち込みが顕著となり、貿易摩擦の影響が鮮明化。中国国内に消費や生産の冷え込みをもたらした。
19年も成長減速が続くとの見方は強い。三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、19年の実質GDPを6・3%増程度とさらなる減少を予想。
ただ、「19年は中国建国70周年を迎える節目の年。お祝いムードを高めるためにも、景気刺激策を矢継ぎ早に打ち出している」と指摘。政府は金融緩和や大規模減税、インフラ投資といった刺激策を講じており、年後半には一部持ち直しの動きもみられそうだ。
また、日銀の黒田総裁も、「中国政府は財政面でテコ入れをしている。(中国の)急激な減速が世界経済に大きな影響を与える可能性は今のところ少ない」と同様の見方だ。
製造業の先行指標となる工作機械の落ち込みが顕在化しているものの、機械受注全体の総額は堅調だ。SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは、「川上に位置する工作機械は弱含んでいるが、中・下流の産業機械は広範な領域で伸びている」と指摘。足元では最終製品需要の減退にまでは至っておらず、「企業が設備投資全体を絞り込む段階にはまだない」と分析する。
ただ、2月末が期限の米中貿易協議などの見通し次第で状況は流動的だ。仮に協議がまとまらず、世界経済の減速が鮮明化すれば、企業の投資抑制の姿勢は加速。世界経済の失速が現実味を帯びる。
【工作機械】市場、もう一段下がる懸念
「底に近いところではあるが、まだ底ではない」。日本工作機械工業会(日工会)の飯村幸生会長(東芝機械会長)は、23日の定例会見で中国の工作機械市場がもう一段下がるとの懸念を示した。
同日公表の2018年12月単月の中国受注が約150億円なのに対し、日工会は19年の月平均は130億円ほどで推移すると想定する。18年暦年の中国受注は2850億円だったが、19年は約1500億円に落ち着く計算だ。過去5年間では16年を下回り、最も低い。
中国市場の減速は米中貿易摩擦が引き金だ。設備過剰を抑える緊縮策の影響もある。ただ、人手不足を解消する新鋭設備の潜在需要は依然大きい。19年は「待ち」だとして、この点で有利な日本勢の成長余地まで消失したわけではない。
【自動車】新車販売、28年ぶり前年割れ
中国汽車工業協会が発表した18年の中国の新車販売台数は、前年比2・8%減の2808万600台と28年ぶりの前年割れとなった。
17年に販売を押し上げた減税効果がなくなり、反動減が出た。また米中貿易摩擦により景気の先行き不安が高まり、新車市場に水を差したとみられる。19年は大崩れはしないものの停滞は続きそうで、前年並みか微増とみる向きが多い。
