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「藤吉は気持ちのぶつけ方がストレート。行動力のある男で、見ていてとても気持ちがよくて、わかりやすいんです。細かいことや後先のことを考えずに、まっすぐ進むタイプですが、それが彼の魅力だと思います」

芸にも挑戦! 太神楽を披露する松坂桃李

 朝ドラ『わろてんか』で、ヒロイン・てん(葵わかな)の“相方”藤吉を演じる松坂桃李(29)。藤吉の魅力についてこう語ったが、それは自分にもあてはまる?

「何か大きいことをやろうとか思っても、ちょっと怖くなって一歩を踏み出せなかったり、言えなかったりすることが多いです。藤吉はそんな怖さをはねのける強い勇気があるから、男としてうらやましいし、カッコいいですよね」

 全国を渡り歩く旅芸人一座のひとりとして、てんと運命的に出会った藤吉。松坂はこの役で芝居のみならず、芸にもチャレンジ。

「傘を回して、その上に升をのせてグルグル回す太神楽をやると聞いたときは、“さすがにそれはできません”と言ったのですが……(笑)。ハードルの高いお願いをもらったときは、役者冥利(みょうり)に尽きるとは思いますけどね」

 藤吉は売れっ子の芸人だと自分を偽って、てんと8年間の“遠距離恋愛”を続けた。忘れたころに届く手紙に、てんはときめいていたけど、

「演じていて、手紙の力の大きさは感じました。彼女を笑わせたい、という気持ちが、手紙を書き続けることでさらに強くなり、自分の気持ちを濃くしていく効果があるのかな、と」

 そんな手紙の力を使って、自分自身の思いを綴(つづ)ったことはある?

「僕は、藤吉みたいにマメではありません! メールもLINEも返信が遅くてマネージャーさんにも怒られています。プライベートだけじゃなく、仕事関係でも“筆無精”。

 もうすぐ30歳にもなるのに“ホウ・レン・ソウ”(報告・連絡・相談)ができてないと思うと、非常に恥ずかしくなります。本当に直したいとは思っているんですけど、どうすれば直せます?(笑)」

 では、遠距離恋愛はできなさそう?

「マメじゃないですからね……。自分の妄想の中ではうまくいく気がするんですけど、現実に置き換えたときに、はたして妄想どおりにいくのかなと思うと……、難しいかな(笑)」

 そもそも藤吉は、てんのどんなところに惹かれたと思う?

「やっぱり笑顔だと思います。(新井)美羽ちゃんが演じた幼少期のてんちゃんの笑顔。まだ好きという段階ではないけど、無意識にこの子をもっと笑わせたいと思ったのかな、って。そう思わせるのがてんちゃんの魅力だし、わかなちゃんが演じる大人になったてんちゃんと再会したとき、違う感情でドキッとする。そこから本格的な“恋”というものがスタートするんだと思って演じました」

 これから、藤吉はてんとふたりで笑いに人生を捧げていくことになる。

「僕は“笑い”って、薬みたいなものだと思うんです。心の薬というか、イヤなことやつらいこと、悔しい、じれったいという感情が漫才やお笑い番組を見ていると解消されるじゃないですか。

 悩んでいる現状や、不安を抱えた自分が、笑うことで一瞬なくなるというか。僕は、藤吉とてんちゃんのふたりは、みんなの心の医者になろうとしているのかな、と思っています」

来週は怒濤の展開!

 藤吉との結婚を認めない、父・儀兵衛(遠藤憲一)のもとから駆け落ちし、大阪にある藤吉の実家に身を寄せたてん。だが藤吉の母・啄子(鈴木京香)は、ふたりの結婚を認めず、てんを女中扱いする。しかも、啄子が決めた藤吉の許嫁(いいなずけ)、楓(岡本玲)と、商いで勝負をして、勝ったほうを藤吉の結婚相手にする、と宣言。はたして、てんに勝算は――。