小池百合子氏の人並みはずれた向上心に、有権者はついてこれるか

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「私はこれからも都政をクリアにしていく。そのために(知事を)続けていくし、今回の選挙では国政で情報公開を徹底して進めていこうという柿沢さんのような人をぜひとも国会に送っていただいて、国会こそ情報公開ができるようにしようではありませんか」

 東京都知事で希望の党代表の小池百合子氏(65)は12日、同党から出馬した民進党前職の柿沢未途氏(46)の応援演説で都内の駅頭に立った。

 都知事続投か急転出馬か。国政政党の党首に就任しながら立候補はなかった。都政軽視との批判を招いたことを意識してか都政での実績をアピール。そして、改革の1丁目1番地として取り組んできたという情報公開に絡めて、あの大問題に切り込むのだった。

「森友・加計疑惑。国会でもいろいろと議論があったようでございますが、世の中、まだ7〜8割の人が“よくわかりませんな”と思っている。結果として政治の信頼を失っている。しかし、世論調査をみると自公政権でそのままいこうとしている。本当にいいんですか、みなさん」

 わかりやすい演説に聴衆は引き込まれていく。おもしろかったのは、小池氏が「キャンキャン言っている」と揶揄した政敵の進次郎氏とほぼ同じ認識を示したことだった。

「私は100歳まで学べる大学をつくりたいと思っているの。みなさん、これから100歳まで生きるんですよ。リタイアしたあと何するの? もう1度、学ぶようにしましょうよ。やりがいがあるじゃないですか。シルバーパスを使ってバスに乗るのもよし、しかし、学割でバスに乗るほうが楽しいと思わない?」

 環境相時代にクールビズで男性をネクタイから解放した小池氏は、定年退職後の名刺が肩書なしの自宅住所表記という現状を変えたいらしい。名刺は日本人男性の「存在証明」になっているという。

「そこで私はみなさんにもう1度、学び直してほしい。大学でも高校でもいいんです。もう1度、学ぶことで学生証を名刺のかわりに持つというのはどうでしょうか」

 拍手が沸き起こった。

 しかし、演説終了後に聴衆に話を聞くと、「俺はもう学校はいいや」(75歳男性)、「勉強する気にならない」(79歳女性)と本音が……。

 小池氏は直前のJR上野駅前の応援演説では、都が成立を目指す受動喫煙防止条例に触れ、「唯一、反対に回ったのは都議会自民党。みなさんよく覚えておいてください」と念押し。アイデアの披瀝と自民党敵視が際立っている。