小泉今日子×クドカンの新火曜ドラマ、あえて「おばさん」をキーワードにした理由
宮藤が大好きな女優たちが集結
『逃げるは恥だが役に立つ』『カンナさーん!』などで注目されたドラマ枠に、宮藤官九郎が脚本を手がける“おばさん犯罪エンターテインメント”が登場。
その名も『監獄のお姫さま』(TBS系 火曜 夜10時〜)は、同局連ドラ主演16年ぶりの小泉今日子が、宮藤とタッグを組む話題作。ふたりは、NHKの朝ドラ『あまちゃん』以来、4年ぶり。
共演者も豪華で、満島ひかり、夏帆、坂井真紀、森下愛子、菅野美穂ら、錚々(そうそう)たる顔ぶれがそろう。
宮崎真佐子プロデューサーは、制作の経緯についてこう話す。
「“大好きな女優さんがたくさん出てきて、みんなでワイワイしゃべるような話がやりたい”という宮藤さんの希望から始まりました。女子刑務所なら女性しか出てこないから、面白くなるんじゃないか、と。まず、宮藤さんの好きな女優さんたち、舞台設定は完全に後づけです(笑)。女性たちが集まったときの話題には、男性の話にもなるので、唯一のイケメンとして、民放の連続ドラマ初出演の伊勢谷友介さんに登場してもらいました」
小泉ら女優陣は、年齢的には“おばさん”でも、そのイメージがないのに、あえてキーワードにしたという。
「すごい女優さんが火花を散らして演技合戦するような、敷居の高いドラマにしたくなかったんです。見ている方にも親しみをもっていただきたく、“おばさん”を多用しています!」(宮崎P、以下同)
物語は、主人公の馬場カヨ(小泉)が勝田千夏(菅野)や大門洋子(坂井)、足立明美(森下)とイケメン社長の板橋吾郎 (伊勢谷)の誘拐を企てるところから始まる。
女子刑務所で出会った彼女たちは、吾郎に真実を語らせ、今も収監されている仲間の江戸川しのぶ(夏帆)の冤罪(えんざい)を晴らそうと思っていた。
周到に計画していた復讐劇だが、不測の事態に大混乱。慌てて、刑務官の若井ふたば(満島)に泣きつく。
女子刑務所でスパルタ教官だった若井は、本当に彼女たちの味方になってくれるのか?
「誘拐実行中の現在と、彼女たちが服役していた5年前の刑務所が交錯しながら物語は進んでいきます。何げないひと言が伏線になっていることも。
女子刑務所にありがちな女性同士のいがみ合いやバトルも登場しますが、見どころはそこではなく、むしろ女性たちの友情。仲間の冤罪を晴らすため、青春時代に戻ったかのように一生懸命になります。
ぜひ、女の友情をお楽しみください」
サバけた女優陣が自然に集まって練習
2年ほど前に企画されていたという今作。宮藤や制作チームは、女子刑務所で取材した内容を参考に、作品に盛り込んでいる。
女優陣も役作りのため、女子刑務所に関する情報を収集していた。囚人服は危険物を隠し持てないよう、ポケットが使えない仕様だったり、意外に食事が豪華だなど、撮影の空き時間は、刑務所の意外な話で盛り上がっているという。
「サバサバした方ばかりで、小泉さんを中心に、みなさんとても仲がいいです。刑務所内の共同生活のシーンは、テンポのいい掛け合いが大切なのですが、本番前にみなさんが自然と集まって練習しています」
宮藤も撮影現場を訪れ、女優たちの演技を見て爆笑しているそう。
しのぶが“姫”、千夏は“財テク”、明美は“姉御”などのニックネーム、劇中テレビドラマ、刑務所内での食事の前に合唱する“ごはんの歌”、運動時の“ざんげ体操”など、宮藤作品らしい小ネタも満載だ。
「男性が原因で罪を犯した彼女たちの回想シーンは斬新な作りになっています。例えばカヨと夫との芝居では、夫役の俳優さんとは別に、伊勢谷さんの吾郎が、夫になりかわって演じる部分があります。伊勢谷さんには、吾郎役に加えて5人の女性たちに関わりのある5人の男性を演じていただいています。イケメンの吾郎が、そうでない男たちになったときのギャップを楽しんでいただければ」
サプライズゲストも続々登場、主題歌は引退を発表した安室奈美恵と話題づくしの今作。絶対見逃せない。
おしゃれ! 女子囚人服のデザイナーは誰?
カヨたちが服役中に着ていたのは、グリーンに黄緑色のステッチが入った囚人服。実はこの服をデザインしたのは、あの有名モデルだった!
「その方のお名前は、第2話(10月24日放送)に明かされます。ご本人も登場しますよ!」(宮崎P)