ロック界を代表するベーシストの一人、Red Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)のFlea(フリー)。ロック界最強のリズムセクションを担う鬼才である。
もはや説明不要の存在だが、YouTubeでビデオエッセイを公開している<Polyphonic>が彼のプレイスタイルを改めて解析。この動画を見れば、フリーという稀代のベースプレイヤーのスゴさを再認識できるはずだ。

https://www.youtube.com/watch?v=UsEF8WejnEc

出典: www.youtube.com

まずベースという楽器において、フリーの存在がなぜ重要で革新的なのか? それは彼が“ファンク”と“パンク”という、一見相反する音楽をルーツとしているからだ。

ファンクベースの代名詞的存在であるラリー・グレアムが編み出した“スラップ奏法”を、パンクロックの性急さ&激しさと融合させた功績は計り知れない。トレードマークとも言えるそのフリーキーなスラップ奏法は、それまでのロックに無かったようなスリリングな楽曲を生み出し、そのプレイスタイルに影響を受けたフォロワーはジャンル国籍を問わず世界中に存在する。

では、メロディセンスはどうだろうか。特にミッドテンポやメロウな曲が分かりやすいが、フリーのベースラインは非常に複雑でハーモニー豊か。注意して聴くと、歌やギターのメロディに対し時に複雑に絡み合い、時に優しく寄り添っているのが分かるだろう。時にはギターのようにコードを弾くなど荒技も繰り出すあたりは、既存のプレイにとらわれない自由なセンスを感じる。

スラップ奏法、ハーモニー感覚豊かなフレージング、そして自在なアイデア。こういた要素を併せ持ったフリーだからこそ、ジョン・フルシアンテの創造性溢れるギターや、チャド・スミスの躍動的なドラム、そしてアンソニー・キーディスの歌と共に、まさに“レッチリ”としか言いようのないサウンドを生み出せるのだ。

もはや当たり前のことすぎて誰も言及しないかもしれないが、フリーはやはり世界有数のスゴいベーシストなのだ。