CBS MarketWatchによると、11日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で、米国標準油種であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の9月物の終値は、主要産油国であるイランが核開発を再開し、欧米諸国との緊張が高まっていることに加え、イラクの治安悪化、サウジアラビアのファハド国王の死去による政情不安やテロへの懸念など、中東情勢の先行き不透明感が依然強いことから、石油供給不安が高まり、一時、1バレル=66ドルと4日連続で過去最高値を更新した後、前日比90セント(1.4%)高の1バレル=65.80ドルに続伸して引けた。終値レベルでも今週4度目となる過去最高値を更新した。

また、IEA(国際エネルギー機関)は11日に月間報告を発表し、北米と北海での石油関連施設の夏季操業停止が見込まれることから、2005年のOPEC(石油輸出国機構)以外の石油産出見通しを日量20万5000バレル引き下げ、日量5080万バレルとしたことも、材料視された。

  ガソリンは、米国内からの需要が依然高いことから、一時、1ガロン=1.9525ドルを付けて過去最高値を更新した後、同5.35セント(2.8%)高の1ガロン=1.9498ドルに続伸、暖房油も同5.97セント高の1ガロン=1.8985ドルに続伸し、9月物の最高値を更新した。また、NYMEXの天然ガス先物相場の9月限は、昨年11月以来の高水準となる、前日比23セント高の100万Btu=9.301ドルで引けた。米エネルギー省は11日、5日までの天然ガスの週間在庫を発表し、430億立方フィートの増加となったが、材料視されなかった。【了】