XFN-ASIAによると、シンガポール航空(SIA)のチュウ・チュン・センCEO(最高経営責任者)は、来週発行予定の独誌「フォーカス」のインタビューの中で、欧州航空大手のエアバスに対し、同社が発注した次世代型大型旅客機「A380」の納入が予定から大幅に遅れているとして、損害賠償訴訟を起こす可能性を示唆した。同CEOによると、「A380」の納入は当初予定から8ヵ月遅れの今年11月まで行われないとしており、世界初の2階建て巨大旅客機(基本座席数555席)である同機の納入が遅れることで、業績や乗員や整備員の訓練スケジュールに悪影響が出るとしている。

  同CEOはまた、エアバスとの販売契約での取り決めで、SIAが損害賠償請求を行う権利を有していることを指摘し、「タクシーは長旅になればなるほど料金が上がる。(「A380」の)納期が遅れれば、その分エアバスにとって高くつく」と述べた。SIAは、シンガポール、ロンドン、シドニー間に就航させるため、「A380」を10機発注している。

  SIAは今後、エアバスと競合する米航空大手ボーイングとの関係を強化するとしており、当初「A380」の納入後に予定されていたボーイング「777-300ER」19機の納入を、「A380」の納入前に行うとしている。ボーイングの株価はニューヨーク市場で5日、前日比0.12%安の66.19ドルで引けた。【了】