「臭い」が騒動の発端か…小笠原と森脇で異なる主張、レオ・シルバは「非常に悲しい」

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 4日、2017明治安田生命J1リーグ第10節で浦和レッズと鹿島アントラーズが対戦。白熱した試合は、FW金崎夢生が決めた先制点を守り切った鹿島が勝利した。

 この試合の79分、両選手がもみ合いとなる場面があった。浦和陣深くのコーナーフラッグ付近で、ボールをキープしたMF土居聖真とFW興梠慎三が激しいボールの奪い合いを繰り広げた。主審が笛を吹き、浦和ボールの判定となったが、その直後に興梠が土居の胸を小突いたことでヒートアップ。両チームの選手が入り乱れて、小競り合いに発展した。なかでも、仲裁に入ろうとしたDF森脇良太とMF小笠原満男が激しく言い争い、一触即発の事態になった。

 小笠原は試合後、森脇がMFレオ・シルバに対して暴言を発したと主張。鹿島側がその旨をマッチコミッショナーに伝えた。浦和側も森脇から状況をヒアリングし、その内容を報告したという。

 さらに、3選手の中で1番最初に取材エリアに姿を現した小笠原が、これまでにも森脇が外国人選手に対して侮辱的な態度をとってきたと発言。一方の森脇は、もみ合いになった場面の詳細を釈明し、小笠原の発言を否定した。

 3選手は以下のようにコメントしている。

■小笠原満男
「あまり詳しくは言えないですけど、1つどうしても言いたいことがあって。非常に残念だったのが、森脇選手がレオ・シルバ選手に対して『くせえな、お前』という言葉を発した。それがどうしても許せなくて。試合が終わった後にレオと話をすると、「彼はいつも俺に対してそういうことを言う」と言ってきました。

 これまでの対戦でも、カイオやダヴィに対して同じようなことを繰り返していました。もう自分の中では限界。立派な言葉の暴力だと思うし、差別と捉えられてもおかしくない。非常にいいゲームだったんですけど、それが残念なことなので、検証してほしいです。両者が入り乱れて、レオも止めに行こうとした時に、明らかに口と鼻を抑えるようなジェスチャーもしている。フェアプレーが議論されている中で、言葉の暴力は見逃してはいけないと思う」

■レオ・シルバ
「いろいろなことを人生で経験しているが、日本での生活の中では、日本人は外国人をしっかりと受け入れ、それぞれの国の文化と習慣に対する敬意を持って接する国民だと思っている。今回(の試合は)ゴールデンウィークで、監督からもミーティングで子供たちのお手本、見本となるべきプレーや姿勢、言動、振る舞いをしなければいけないと言われていた。

 そのような行為があったのは、僕としては非常に悲しいこと。特にこれだけ注目度が高い試合で、そのような行為があったということは非常にがっかりする部分があります。僕は人生経験がありますし、大人にもなりました。悪いことは最初から止めなければいけない。そうでなければ、それがエスカレートしていく。その言葉から違う意味の暴力に発展する危険性が出てくる」

■森脇良太
「僕自身が今悲しんでいるというか。そのことをフロントの方から聞いたんですけど、一番最初にショックを受けました。

 すべてのことを正直に話します。試合で興梠選手が鹿島の選手といざこざになった時に、興梠選手を守ろうという思いで、その輪に止めに入ろうとしたんです。その時、最初に小笠原選手が『お前だけは入ってくるんじゃねえ、ボケ』という感じで言われたので、僕はそれに対して『うるせえ、ボケ』という感じの口調で返しました。

 何人かの選手が僕に詰め寄ってきて、たくさんのつばがかかったので、子どもの喧嘩みたいで恥ずかしいけど、『口が臭いんだよ』と言いました。僕はチームメイトに止められて、その場を後にしました。

 小笠原選手が、何をもってそれを事の大きな発言に変えたのか。僕には本意が分からないですけど、事が大きくなっていることに対して、僕は非常にショックを受けています。確かに僕もカッカしていた。『口が臭い』と言ったことは反省しなければいけない。