CBS MarketWatchとAP通信によると、中国政府が21日に即日実施した人民元の2%切り上げと通貨バスケットを利用した管理フロート制への移行について、アラン・グ リーンスパン米FRB(連邦準備制度理事会)議長は21日、上院銀行委員会で証言し、「中国の世界貿易市場への参加が必然的に深まっていく中で行われる、さらなる段階的調整に向けた第一歩だ」と述べ、切り上げの実施を歓迎した。

  一方、ジョン・スノー米財務長官は、「新しい通貨制度の完全実施は、世界の安定のための貴重な貢献となる」とのコメントを発表した。また、G7(先進7ヵ国財務相・中央銀行総裁会議)は同日遅く、共同声明を出し、「中国の為替制度の柔軟化は、世界規模の成長と安定を導く」とし、中国の決定を賞賛した。IMF(国際通貨基金)のトーマス・ドーソン対外関係局長は、「新制度のなかで、変動幅を最大限に活用するべきだ」と述べた。

  また、ホワイトハウスのマクレラン報道官は、「変動相場制の為替制度を採用するという中国の発表には、非常に勇気づけられた」と述べ、歓迎の意を表した。人民元の切り上げを強く主張してきた米下院では、一部の共和党議員が中国の決定を賞賛する一方、切り上げ幅が小さすぎると指摘し、引き続き中国に追加切り上げの圧力をかけていくとした。人民元の変動相場制への移行を進めるために、下院の共和党内で、主導的な立場を取ってきたフィル・イングリッシ ュ議員は、「正しい方向に一歩踏み出した形だが、これで(改革が)終わりだとすれば、受け入れられない」と語った。

  中国が人民元を切り上げなければ、中国からの全ての輸入品に27.5%の報復関税を課す法案を提出したチャック・シューマー上院議員も中国の発表に好意を持って応じ、「我々 が望んでいたよりも小さいが、中国の賢人が言うように千里の道も一里からだ」と述べた。【 了】