CBS MarketWatchによると、8日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で、米国標準油種であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の8月物は、石油精製施設が集中するメキシコ湾岸へのハリケーン「デニス」による被害が予想されるとの懸念から、一時、1バレル=61.90ドルまで上昇したものの、デニスによる被害はそれほど大きくならないかもしれないという慎重な見方も広がり、ハリケーンによる供給不安が沈静化、また、高値警戒感からの利益確定売りで、結局、前日比1.10ドル安59.63ドルで引けた。

  一方、5−8日(4日の独立記念日除く4営業日)の1週間では、原油価格は88セント(1.5%)の上昇となった。

  米気象専門テレビ局のザ・ウェザーチャンネルによると、デニスは今後、キューバ南部をゆっくりと横断し、米東部時間の9日早朝にもメキシコ湾に達するとしている。米鉱物資源管理部は8日、「デニス」の上陸に備えて、116ヵ所の石油掘削施設が閉鎖されたと発表した。この結果、同湾での1日の石油生産量の14.7%(22万326バレル)と天然ガスの同10.4%(10億4000万立方フィート)に影響が出るとしている。【了】