AFX通信によると、米自動車最大手GM(ゼネラルモーターズ)は5日、米国での6月の売上高大幅増の原動力となった社員割引制度を一般顧客に適用する期間を、当初の7月6日までから、8月1日まで約1ヵ月延長すると発表した。適用車種も変わらず、シボレー・コルべット、ポンティアックGTO、中型トラックを除いた全車種としている。

  同割引制度はトラック・SUV(多目的スポーツ車)の月間販売台数が同社の過去最高記録を更新するなど好評で、乗用車を含めた6月の合計販売台数は前月比41%増の55万8092台に達した。

  市場では、同制度の導入についてはおおむね好意的だが、長期的な見方では、ドイツ銀行アナリストのロッド・ラッチェ氏は、「同社は過去にも、大きな販売を記録したあと2ヵ月以上の販売不振となったことがあるため、第3四半期(7−9月)での販売低下を予想している。さらに、割引も時間が経つにつれて集客効果を失うので、次善の策をどうするかが問題」と指摘する。また、割引による収益性の低下も懸念材料だ。

  しかし、ダイムラークライスラーは1日、フォードも5日に、同様の割引制度の開始を発表した。フォードは、「フォード・ファミリー・プラン」と銘打ち、6日から8月1日まで割引を行う。対象車種は、マスタングとエスケープ・ハイブリッドSUVおよびスポーツGT、一部の大型トラックを除いて、2005年型のフォード、リンカーン、マーキュリーブランドの全モデルが対象となる。ダイムラークライスラーは、6日までに詳細を発表するとしている。
  
  値引き合戦に突入したビッグ3の株価は、GMが前日比12セント高の34.77ドル、ダイムラークライスラーは同38セント安の40.10ドル、フォードは9セント高の10.40ドルで引けた。 【了】