CBS MarketWatchによると、中国インターネット市場で、中国企業と米国企業の覇権争いが白熱化している。米オンライン競売大手イーベイは、買収した同業の上海の易趣(イーチネット)を通じて、年間1億ドル(約110億円)を中国市場開拓に投じると発表したが、先行する宝網(タオバオ・ドットコム)を運営する巨大商業情報サイト阿里巴巴网(アリババ・ドットコム)は、それに怖気づいて撤退するどころか、さらに後発のインスタントメッセージサービス大手・騰訊(テンセント)が参入、中国勢が勢力を拡大してきている。

  1億5000万人のユーザーを持ち、ネットゲームにも参入するテンセントは、広告を入れない独自のC2C(顧客同士を仲介するサービス)を展開するとしている。馬化騰CEO(最高経営責任者)は、「オークションサイトの設置と運営に数億元も使う必要はない」と自信を見せている。

  一方、検索市場では、独自のエンジンを持つ“老舗”の新浪(シナ・ドットコム)が中国系の他社との連携を通じて、市場での競争力を拡大する動きがある。一方、インターネット検索世界最大手のグーグルのエリック・シュミットCEOは、出資先でもある後発の百度(バイドゥ)の李彦宏CEOと先週、中国で会談している。百度はMP3音楽ファイルの検索機能で知られるが、先週、米連邦最高裁が違法コピーを奨励する企業に対して、音楽出版社や映画会社などが著作権訴訟を起こすことが可能とする判断を示したことで、今後、百度は自社製品の提供方法を変更することが予想される。 【了】