CBS MarketWatchによると、最近の原油価格高騰で経営が圧迫されている中、米航空業界で燃料消費が最大となっている米アメリカン航空は、燃料費削減のための様々な取り組みを行っている。同航空は、1日820万ガロン(約3100万リットル)、年間で30億ガロン(約114億リットル)の燃料を消費しており、2005年の燃料予算は前年比56%増の42億ドル(約4700億円)としているが、47億ドル(約5200億円)を超える見通しもあり、燃料費の削減が急務となっている。

  燃料費の上昇を埋め合わせる有効な手段としては、運賃の値上げと人件費の削減が挙げられる。ノースウェスト航空は1日、米SEC(証券取引委員会)への報告書で、燃料費の高騰により、人件費削減を目指して労働組合との話し合う可能性を示唆した。また、燃料の消費を減らし、燃料費を抑えるため、飛行中は、旅客機への不必要な機材の搭載を控え、乗客数や天候などを綿密に考慮した効率的な飛行計画を作成し、飛行時間を短縮するなどして燃料費削減を図っている。

  アメリカン航空とデルタ航空は、1セントでも節約しようと、すでに複数の旅客機からまくらさえを撤去しており、アメリカン航空の担当者によると、飛行時間が数分短縮されることで年間数百万ドルの節約になるとしている。同航空では昨年1億1000万ドル(約123億円)の燃料費の削減に成功したとしており、2005年ではすでに3600万ドル(約40億円)、年末までに新たに4500万ドル(約50億円)の燃料費を削減するとしている。アメリカン航空の親会社であるAMRの株価はニューヨーク市場で先週末の1日、前日比0.41%安の12.06ドルで引けた。【了】