Jリーグの試合日程が発表され、次第にシーズンが近づいているのが実感できるようになりました。みなさんもきっと日程表を見ながら、観戦の計画を立てていらっしゃるのではないかと思います。

今年のJ1で楽しみにしていることあります。それはセレッソ大阪と清水エスパルスが昇格したことで、セレッソ大阪vsガンバ大阪の大阪ダービーと、清水エスパルスvsジュビロ磐田の静岡ダービーが復活したことです。

ダービーはどんなに順位が違っていても盛り上がる一戦。僕はプロ選手になる前にテレビでリーガ・エスパニョーラなどを見て盛り上がりを知っていましたし、実際に自分で経験しても、やはり独特の雰囲気がありました。試合前になると、自然と選手も気分が高揚していくのです。

同じ地域に存在しても、カテゴリーが同じでないと試合ができない――つまり、チーム力がだいたい同じ相手が試合をするというのもいいのでしょう。大阪と静岡の両ダービーがどれくらい盛り上がるか、注目したいと思います。

そしてダービーといえば、いつも思い出すのが、今は無くなってしまったチームのことです。僕が最初にプロとしてプレーした横浜フリューゲルスは1999年、ダービーの相手だった横浜マリノスに合併吸収されてしまいました。

僕は1997年にヴェルディ川崎に移籍し、1998年から1999年にかけてはブラジルでプレーしていました。ですが、ずっとフリューゲルスのことは気になっていました。

これまでのJリーグの歴史で、姿を消した唯一のチーム。しかもJリーグ発足当時から参加した「オリジナル10」のメンバーだったのです。

フリューゲルスとマリノスの試合は、本当にいつも素晴らしい戦いでした。あの両チームによる横浜ダービーが見られなくなったのは本当に残念です。

あんな悲劇が起こらないよう、今年のJリーグではすべてのチームで切磋琢磨して、去年より一層盛り上げていってほしいと思います。そしてJリーグは、放送権料がアップして、様々なプロモーションも打てるようになったでしょうが、今こそ足下を固めて、すべてのチームがずっと存在できるよう、盤石な基板を作ってほしいと願っています。