バイエルン州の都にして、南ドイツ最大の都市ミュンヘン。ドイツ屈指の観光エリア、ロマンティック街道への起点ともなる街で、いつも多くの観光客でにぎわっています。

かつてバイエルン王国を統治していたヴィッテルスバッハ王家の華麗なる宮廷文化が花開いたミュンヘンは、見どころがたくさん。ミュンヘンを旅行するならぜひ訪れたいスポットのひとつが「ニンフェンブルク城」です。

ミュンヘンの宮殿といえば、ヴィッテルスバッハ王家の居城であった「レジデンツ」が有名ですが、ヴィッテルスバッハ王家の夏の離宮として建てられたのがニンフェンブルク城。レジデンツに比べると訪れる人は少ないものの、足を延ばす価値大の穴場的スポットです。

「ニンフェンブルク」は「ニンフ(妖精)の城」の意味。17世紀、バイエルン選帝侯フェルディナント・マリアとその妻が、イタリアの建築家に設計させました。その後、マクシミリアン2世エマヌエルや、カール・アルブレヒトなどによって拡張が行われ、現在の姿となったのです。

戦争の被害を免れたこの城は、今もその名にふさわしい優美な姿を見せています。白鳥が泳ぐ池と白亜の城とのコラボレーションは、まるで絵画のようです。

ミュンヘン中心部からやや離れたところにあるだけあって、その敷地は広大。美しく整備された庭園は地元の人々の散歩コースとして親しまれています。

城は、正面にある幅700メートル以上のファサードをもつ本城と、本城の南にある馬車博物館、狩猟に建てられたアマリエンブルクなどの館に分かれています。

本城に足を踏み入れると、大理石でできたロココ様式の広間「石のホール」が迎え入れてくれます。

ヨハン・バプティスト・ツィンマーマンらによる天井画や、フランソワ・ド・キュヴィイエによる装飾で彩られた空間は、目を見張る壮麗さ。

宮廷画家として活躍したツィンマーマンによる天井画「女王フローラに敬意を表するニンフ」は、「ニンフェンブルク」の名にちなんで描かれたものです。

ニンフェンブルク城で特に有名な部屋が、ルートヴィヒ1世がジョゼフ・シュティーラに描かせた「美人画ギャラリー」。ルートヴィヒ1世が愛した36人の美女の肖像画がずらりと並んでいます。

さすがに王の寵愛を受けた女性たちだけあって、現代の感覚で見ても美人揃い。面白いのは「美女」と一口にいっても、成熟した大人の女性といった雰囲気の女性もいれば、知的でちょっとクールな感じの女性、少女の面影を残す可憐な女性など、それぞれの女性の個性が感じられること。

あなたのお好みは誰?自分が一番素敵だと思える女性を探してみると楽しいですよ。

ほかにも、ルートヴィヒ2世誕生の部屋や、王妃の謁見室、王族の私室の数々など、多くの見どころがあります。

自然と調和した穏やかな環境のなかにたたずむニンフェンブルク城には、レジデンツとはまた違った魅力があります。中心部から離れているとはいっても、トラム(路面電車)で簡単にアクセスすることができますのでご安心を。

ミュンヘンを訪れるなら、絵画の世界に迷い込んだような気分になれる、ロマンティックお城、ニンフェンブルク城にもぜひ足を運んでみてください。

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